第17回 言語聴覚士国家試験 第11問
臨床神経学第17回
パーキンソン病の所見でないのはどれか。
- 1.小さい声
- 2.手のふるえ
- 3.嚥下障害
- 4.立位バランス障害
- 5.下肢遠位の弛緩性麻痺 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 下肢遠位の弛緩性麻痺
パーキンソン病は錐体外路障害であり、運動ニューロン損傷(脱髄など)による弛緩性麻痺は呈しません。パーキンソン病の特徴は筋強剛・振戦・動作緩慢・姿勢反射障害であり、下位運動ニューロン障害の所見は含まれません。
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【各選択肢の解説】
1. 小さい声
✅ 正しい。パーキンソン病における運動低下性構音障害(Mayo分類)の特徴で、「低音量化」「単調化」「加速現象」を示します。音声の音量制御不全により発声量が低下します。
2. 手のふるえ
✅ 正しい。パーキンソン病の古典的な三大徴候の一つです。安静時振戦(4~6Hz、「ピローリング」と呼ばれる親指と人差し指での回転様運動)が特徴的です。
3. 嚥下障害
✅ 正しい。進行期のパーキンソン病では咽頭期の障害が生じ、誤嚥リスクが増加します。運動低下性構音障害と同じく錐体外路機能低下により、嚥下関連筋の協調性障害を呈します。
4. 立位バランス障害
✅ 正しい。姿勢反射障害(特に後方転倒反射の消失)により、立位バランス低下・転倒リスク増加を示します。Hoehn-Yahr分類でも「立位バランス障害」は進行度評価項目です。
5. 下肢遠位の弛緩性麻痺
❌ 誤り。パーキンソン病は黒質ドパミン神経の変性であり、下位運動ニューロン障害ではありません。弛緩性麻痺は脊髄損傷や末梢神経障害など下位運動ニューロン病変で生じるため、パーキンソン病には見られません。
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【試験対策ポイント】
パーキンソン病 vs 弛緩性麻痺の疾患比較
| 疾患 | 神経系損傷部位 | 麻痺の性質 | 反射 |
|---|---|---|---|
| パーキンソン病 | 中脳黒質(錐体外路) | 筋強剛・振戦 | 正常〜亢進 |
| 脊髄損傷 | 脊髄前角細胞 | 弛緩性麻痺 | 低下〜消失 |
| 末梢神経障害 | 末梢神経 | 弛緩性麻痺 | 消失 |
パーキンソン病 三大徴候
- 安静時振戦(ピローリング)
- 筋強剛(鉛管様・歯車様)
- 動作緩慢(ブラディキネジア)
パーキンソン病の四大徴候(追加1つ)
- 姿勢反射障害(後方転倒反射消失)
運動低下性構音障害の特徴
- 低音量化・単調化・加速現象
- 嚥下障害も伴いやすい
- Mayo分類で「運動低下性」に分類
頻出の誤選びのポイント
「パーキンソン病 = 麻痺」という誤解を持つ受験生が選びやすい。実際には「麻痺ではなく、動作が遅く・硬く・震える」という質的な違いが重要です。