第17回 言語聴覚士国家試験 第9問
精神医学第17回
妄想について正しいのはどれか。
a.物事を誤って意味づける。
b.強い感情は伴わない。
c.不合理な考えだと自覚している。
d.実際にはないものが見える。
e.考えを容易に訂正できない。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
妄想は「物事を誤って意味づける(a)」非論理的で、「容易に訂正されない(e)」精神症状です。この2つが妄想の本質的特徴です。
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【各選択肢の解説】
a. 物事を誤って意味づける。
✅ 正しい。妄想の核心的定義です。実在する知覚(例:テレビの内容)を異常に解釈する例が多く、「間違った意味づけ」という点で幻覚(知覚なき知覚体験)と区別されます。
b. 強い感情は伴わない。
❌ 誤り。妄想には多くの場合、強い感情が伴います。被害妄想なら不安・怒り、誇大妄想なら幸福感など、情動的投資が典型的です。「感情が伴わない」とは言えません。
c. 不合理な考えだと自覚している。
❌ 誤り。妄想の定義に「批判的距離の欠如」があります。患者自身がその考えを「合理的・真実である」と確信しており、自分が妄想を抱いていることに気づきません。むしろ自覚していないことが診断上の重要特徴です。
d. 実際にはないものが見える。
❌ 誤り。これは「幻覚」の定義(特に視幻覚)であり、妄想ではありません。妄想は「思考内容の異常」、幻覚は「知覚の異常」と分類が異なります。
e. 考えを容易に訂正できない。
✅ 正しい。妄想は論理的説得や証拠提示によってもほぼ修正されない固い信念です。これが「強固な信念体系」としての妄想の本質です。
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【試験対策ポイント】
| 症状 | 定義 | 自覚 | 修正可能性 |
|---|---|---|---|
| 妄想 | 思考内容の異常:不合理な信念体系 | なし | 困難 |
| 幻覚 | 知覚の異常:実在しない知覚 | あり(多くは自覚) | 薬物反応性あり |
| 過念慮 | 過度に追い詰める思考 | あり | 容易 |
妄想の必須特徴:
・「物事の誤った意味づけ」(知覚異常ではない)
・「自覚がない」(批判的検討の欠如)
・「訂正困難」(強固性)
・「情動的投資あり」(冷淡ではない)
よく混同される項目:
・妄想(思考内容)vs 幻覚(知覚体験)
・妄想(自覚なし)vs 強迫観念(自覚あり・違和感あり)