第17回 言語聴覚士国家試験 第100問
小児聴覚障害第17回
視覚聴覚二重障害を生じないのはどれか。
- 1.結 核
- 2.先天梅毒
- 3.筋萎縮性側索硬化症 ✓
- 4.多発性硬化症
- 5.神経線維腫症
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロン病で、進行性の運動機能障害をもたらしますが、視覚および聴覚システムは直接障害されません。一方、他の4つの疾患は、感染症または遺伝性神経疾患として視覚聴覚二重障害(両者の障害が同時に生じる状態)を特徴とします。
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【各選択肢の解説】
1. 結核
❌ 誤り。結核は視覚聴覚二重障害を生じる代表的な疾患です。肺結核の進行により結核性髄膜炎が発症した場合、複数の脳神経障害が生じます。特に視神経炎(視覚障害)と脳神経Ⅶ・Ⅷ(聴覚・平衡覚障害)の障害が同時に起こる可能性があります。
2. 先天梅毒
❌ 誤り。先天梅毒は視覚聴覚二重障害の典型的原因の一つです。Hutchinson症候群に含まれる症状として、角膜炎などの眼症状と感音難聴(Hutchinson難聴)が両立します。古典的には視覚と聴覚の両障害が組み合わさって現れます。
3. 筋萎縮性側索硬化症
✅ 正しい。ALSは脳幹・脊髄の運動ニューロンが進行性に変性する疾患です。視覚系(視神経・網膜)および聴覚系(内耳・聴神経)は病理学的に侵されないため、視覚聴覚二重障害は生じません。認知機能や感覚機能は相対的に保持されます。
4. 多発性硬化症
❌ 誤り。多発性硬化症(MS)は中枢神経系の脱髄疾患で、視神経炎や網膜炎による視覚障害、および聴神経の脱髄による聴覚障害が同時に、または経過中に発症することが知られています。脳幹部の多発病巣により両障害が生じる可能性があります。
5. 神経線維腫症
❌ 誤り。神経線維腫症Ⅰ型(NF1)および型Ⅱ型(NF2)は常染色体優性遺伝疾患です。特にNF2は両側聴神経腫瘍の特徴的所見を示し、腫瘍増大により難聴が必発です。眼症状(視神経腫瘍、網膜錯誤腫など)も高頻度に伴うため、視覚聴覚二重障害を生じます。
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【試験対策ポイント】
視覚聴覚二重障害(両障害の同時発症)の代表的疾患:
| 疾患名 | 視覚障害の機序 | 聴覚障害の機序 | 分類 |
|---|---|---|---|
| 先天梅毒 | 角膜炎・虹彩炎 | Hutchinson難聴(感音難聴) | 感染症 |
| 結核性髄膜炎 | 視神経炎 | 脳神経VIII麻痺 | 感染症 |
| 多発性硬化症 | 視神経炎・網膜炎 | 聴神経脱髄 | 脱髄疾患 |
| 神経線維腫症II型 | 視神経腫瘍・網膜腫瘍 | 両側聴神経腫瘍 | 遺伝性 |
| **筋萎縮性側索硬化症** | **なし** | **なし** | **運動ニューロン病** |
キーワード:「脳神経III・IV・V・VII・VIII周囲の髄膜炎」「