第17回 言語聴覚士国家試験 第99問
補聴器・人工内耳第17回
FM補聴援助用システムについて正しいのはどれか。
- 1.1対多数の受信が可能である。 ✓
- 2.適応年齢は小学校高学年以上である。
- 3.人工内耳で使用できない。
- 4.適応する聴力程度は高度難聴以上である。
- 5.送信機を装着した人以外の話声は聴取できない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 1対多数の受信が可能である。
FM補聴援助用システムは、1つの送信機から複数の受信者が同時に信号を受け取ることができるシステムです。これにより教室内の複数生徒が同時に教師の音声を受信できるため、集団学習環境での聴覚支援に有効です。
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【各選択肢の解説】
1. 1対多数の受信が可能である。
✅ 正しい。FMシステムの最大の特徴です。1台の送信機(通常は教師が装着)から複数の受信機(複数の生徒)が同時に信号を受信できるため、学校教育の現場で広く活用されています。
2. 適応年齢は小学校高学年以上である。
❌ 誤り。FMシステムは幼稚園児や保育園児(3~5歳)にも適応可能です。年齢の下限は「デバイスを装着・操作できる発達段階」に基づくため、小学校高学年に限定されません。むしろ早期適応が推奨されます。
3. 人工内耳で使用できない。
❌ 誤り。FMシステムは人工内耳と互換性があります。人工内耳装用者向けのFM受信器(互換用アダプタ)が市販されており、人工内耳と併用して聴覚支援を強化できます。
4. 適応する聴力程度は高度難聴以上である。
❌ 誤り。FMシステムの適応聴力に上限の厳密な定義はなく、「中程度難聴以上」が一般的な目安です。「高度難聴以上に限定」というのは過度な制限で、実際には中等度難聴でも学習環境によっては有用です。
5. 送信機を装着した人以外の話声は聴取できない。
❌ 誤り。FMシステムは「送信機からの音声」のみを電波で受信しますが、受信者が補聴器を装着していれば環境音も同時に聴取できます。つまり教師の音声+教室内の背景音の両者が聞こえます。
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【試験対策ポイント】
FM補聴援助用システムの基本特性
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 送受信方式 | 1対多数(無線FM周波数) |
| 主用途 | 学校教育現場での集団指導 |
| 装用年齢 | 幼稚園~成人(下限なし) |
| 聴力範囲 | 中等度~高度難聴 |
| 補聴器との併用 | 可能 |
| 人工内耳との併用 | 可能(互換アダプタあり) |
| 距離制限 | 約100m程度 |
補聴援助用システムの種類と特徴
- FM方式:周波数帯域170MHz。最も一般的で学校標準規格
- 赤外線方式:距離限定(10m程度)。TV視聴や劇場向け
- ループシステム:磁界利用。補聴器のテレコイルで受信
- デジタル無線方式:近年の小型化製品
頻出の混同ポイント
- 「聴力が良いと不適応」ではなく、学習環境のニーズで判定
- 人工内耳ユーザーも「対応受信器」があれば使用可能
- 背景音ゼロではなく、環境音と送信音両方が聞こえる(これが実用性の鍵)