STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第107問

臨床神経学第17回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.神経細胞遊走障害 ― 滑脳症
  2. 2.前脳分化障害 ― 脳 瘤 ✓
  3. 3.神経管閉鎖不全 ― 二分脊椎
  4. 4.中脳水道閉鎖 ― 水頭症
  5. 5.頭蓋骨早期閉鎖 ― 小頭症

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 前脳分化障害 — 脳瘤 前脳分化障害の主な結果は「単眼症」「脳裂症」「ホロプロセンセファリー」などであり、脳瘤は神経管閉鎖不全に伴う奇形です。脳瘤は脳組織が頭蓋骨の欠損部から脱出した状態で、前脳分化障害とは異なる病因・病態を持つため、この組合せは誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 神経細胞遊走障害 — 滑脳症 ✅ 正しい。神経細胞が脳皮質への移動に失敗することで、脳皮質の層状構造が消失し、滑脳症(平滑脳)が生じます。脳表面がなめらかで溝が浅いのが特徴です。 2. 前脳分化障害 — 脳瘤 ❌ 誤り。前脳分化障害は間脳の左右分化が障害される疾患で、単眼症やホロプロセンセファリーなどをもたらします。脳瘤は神経管閉鎖不全により頭蓋骨に欠損が生じ、脳組織が脱出した状態で、病因が異なります。 3. 神経管閉鎖不全 — 二分脊椎 ✅ 正しい。神経管の尾側閉鎖が不完全な場合、脊椎弓の癒合不全が生じ、二分脊椎となります。同じく神経管閉鎖不全による脳瘤や脊髄髄膜瘤もこのカテゴリに属します。 4. 中脳水道閉鎖 — 水頭症 ✅ 正しい。中脳水道(シルヴィウス水道)は第3脳室と第4脳室を連結する経路であり、ここが閉鎖または狭窄すると脳脊髄液の流通が障害され、閉塞性水頭症が生じます。 5. 頭蓋骨早期閉鎖 — 小頭症 ✅ 正しい。頭蓋骨の縫合が異常に早期に閉鎖する早期頭蓋骨癒合症では、脳の成長に合わせて頭蓋骨が拡大できず、相対的に小頭症となります。 --- 【試験対策ポイント】 神経胚形成時期の障害と臨床像 | 発生段階 | 障害内容 | 結果となる疾患 | |---|---|---| | 神経板形成 | 神経板の形成不全 | 無脳症 | | 神経管閉鎖 | 閉鎖不全(3~4週) | 二分脊椎・脊髄髄膜瘤・脳瘤 | | 神経細胞遊走 | 遊走障害 | 滑脳症・リサエンセファリー | | 前脳分化 | 左右分化不全 | 単眼症・脳裂症・ホロプロセンセファリー | | 中脳水道形成 | 水道閉鎖 | 水頭症(閉塞性) | | 頭蓋骨発育 | 縫合早期閉鎖 | 小頭症 | 紛らわしいポイント:脳瘤が含まれる疾患体系 - 神経管閉鎖不全に分類される - 二分脊椎と同じ「神経管異常」のカテゴリ - 脳瘤=脳と髄膜が頭蓋骨欠損部から脱出した状態 - 前脳分化障害とは全く異なる時期・メカニズムの異常
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