STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第115問

小児科学第17回
ピエール・ロバン症候群に通常みられないのはどれか。
  1. 1.小顎症
  2. 2.舌根沈下
  3. 3.気道閉鎖
  4. 4.口蓋裂
  5. 5.顔面神経麻痺 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 顔面神経麻痺 ピエール・ロバン症候群は小顎症を一次的な異常とし、それによる舌根沈下、気道閉鎖、口蓋裂といった連鎖現象が起こります。顔面神経麻痺はこの症候群の病態機序には含まれない合併症です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 小顎症 ✅ 正しい。ピエール・ロバン症候群の「一次的な異常」であり、この症候群の診断基準です。 2. 舌根沈下 ✅ 正しい。小顎症により舌が後方に位置しやすくなり、舌根が沈下(後退)します。これは病態の重要な構成要素です。 3. 気道閉鎖 ✅ 正しい。舌根沈下に伴い上気道が狭窄・閉鎖され、呼吸困難や無呼吸を引き起こします。新生児期の管理上最も重要な問題です。 4. 口蓋裂 ✅ 正しい。舌根沈下により口蓋棚が閉合しにくくなるため、U字型口蓋裂がしばしば合併します。約90%の患者に認められます。 5. 顔面神経麻痺 ❌ 誤り。顔面神経麻痺はピエール・ロバン症候群の典型的な合併症ではありません。この症候群は小顎症の二次的影響で説明され、顔面神経系の一次的異常は病態に含まれません。 --- 【試験対策ポイント】 ピエール・ロバン症候群の病態連鎖図: 小顎症(一次) ↓ 舌根沈下 ↓ 気道閉鎖+口蓋裂(二次以降) 典型的な臨床経過: - 新生児期:呼吸困難、チアノーゼ、嘔吐 - 対応:腹臥位(舌が下方に落ちる)、経鼻胃管栄養 - 成長に伴い:軽快傾向(顎骨の発育で改善) 紛らわしい合併症との区別: - ピエール・ロバン症候群:顎骨系の問題 - トリーチャー・コリンズ症候群:耳・下顎骨形成不全+伝音難聴 - ゴルデンハー症候群:片側顔面小骨症+椎体異常 選択肢5(顔面神経麻痺)が誤りである理由: 顔面神経機能は通常保持されており、神経系の一次的異常ではなく、機械的な気道問題が主体です。
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