第17回 言語聴覚士国家試験 第119問
呼吸系第17回
咽頭の検査について正しいのはどれか。
- 1.直達鏡検査は頚部を伸展できない場合に有用である。
- 2.喉頭ストロボスコピーは発声困難な場合に有用である。
- 3.針筋電図は内喉頭筋の評価に有用である。 ✓
- 4.空気力学的検査は声帯の隆起性病変の診断に有用である。
- 5.パラトグラフィは嚥下時の喉頭閉鎖の評価に有用である。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 針筋電図は内喉頭筋の評価に有用である。
内喉頭筋(輪状甲状筋・声帯筋・側甲状筋・間甲状筋)の神経支配や筋電図学的活動を評価する場合、針筋電図が直接的に筋活動を記録できるため有用です。特に反回神経麻痺や筋疾患の診断・予後判定に重要な検査法です。
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【各選択肢の解説】
1. 直達鏡検査は頚部を伸展できない場合に有用である。
❌ 誤り。直達鏡検査は「頚部を後方に伸展する」ことで初めて咽頭・喉頭が視野に入るため、むしろ伸展が必須です。頚部伸展ができない場合(可動域制限など)は反対に「困難」になります。間接喉頭鏡やファイバースコープが代替検査になります。
2. 喉頭ストロボスコピーは発声困難な場合に有用である。
❌ 誤り。ストロボスコピーは声帯の周期的な振動を追跡するため、安定した周期的発声が必要です。発声困難な患者では反対に信号が不安定となり、記録が困難になります。むしろ音声が出せる場合こそ有用です。
3. 針筋電図は内喉頭筋の評価に有用である。
✅ 正しい。針電極を直接内喉頭筋(輪状甲状筋・声帯筋など)に挿入し、静止時・発声時の筋活動を記録できます。反回神経麻痺、筋ジストロフィー、筋無力症など神経・筋疾患の診断に有用です。
4. 空気力学的検査は声帯の隆起性病変の診断に有用である。
❌ 誤り。空気力学的検査(最長発声持続時間・ピークフロー・肺活量など)は「気流」「圧」の測定であり、形態学的な病変診断には適していません。隆起性病変(ポリープ・結節など)の診断は内視鏡検査が正当です。空気力学検査は機能評価に用いられます。
5. パラトグラフィは嚥下時の喉頭閉鎖の評価に有用である。
❌ 誤り。パラトグラフィは「硬口蓋と舌の接触」を圧センサで記録する検査であり、口腔期の舌運動評価に有用です。喉頭閉鎖の評価にはVF(嚥下造影検査)やVE(嚥下内視鏡検査)が適切です。混同しやすい誤りです。
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【試験対策ポイント】
咽頭・喉頭検査一覧表
| 検査法 | 目的 | 対象 | 利点・制限 |
|---|---|---|---|
| 直達鏡 | 咽頭直視 | 頚部伸展可能 | 高倍率。伸展不可で困難 |
| 間接喉頭鏡 | 喉頭直視 | 通常 | 簡便。頚部制限に有用 |
| ファイバースコープ | 咽頭喉頭直視 | 通常 | 最も応用的。発声負荷可 |
| ストロボスコピー | 声帯振動追跡 | 安定発声患者 | 周期性必須。発声困難で不可 |
| 針筋電図 | 筋活動記録 | 筋・神経疾患 | 内喉頭筋評価に有用 |
| 空気力学的検査 | 気流圧測定 | 音声機能評価 | 形態診断は不可 |
| パラトグラフィ |