STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第123問

臨床神経学第17回
転倒を起こす原因となることが最も少ない疾患はどれか。
  1. 1.進行性核上麻痺
  2. 2.アルツハイマー病 ✓
  3. 3.レビー小体認知症
  4. 4.特発性正常圧水頭症
  5. 5.血管性パーキンソニズム

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — アルツハイマー病 アルツハイマー病は進行性核上麻痺、レビー小体認知症、特発性正常圧水頭症、血管性パーキンソニズムと比較して、転倒を起こす可能性が著しく低い疾患です。これらの疾患は運動機能障害や姿勢制御異常を主徴とするのに対し、アルツハイマー病は認知機能低下と記憶障害が主体であり、運動機能は比較的保持されるためです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 進行性核上麻痺 ❌ 誤り。垂直性眼球運動障害(下視困難)、頸部硬直、前傾姿勢を呈し、転倒は非常に高頻度です。実際に転倒による頭部外傷が死因となることもあります。 2. アルツハイマー病 ✅ 正しい。主症状は進行性認知機能低下、記憶障害、言語機能障害であり、比較的早期の段階では運動機能障害を伴いません。末期に筋強直などが現れますが、他の疾患ほど転倒リスクは高くありません。 3. レビー小体認知症 ❌ 誤り。パーキンソニズム(固縮、振戦、寡動)、姿勢不安定性を呈し、転倒は高頻度です。幻視や注意変動も転倒リスクを増加させます。 4. 特発性正常圧水頭症 ❌ 誤り。「NPH三徴候」:歩行障害(磁石足歩行)、認知機能低下、尿失禁が特徴で、転倒は極めて高頻度です。歩行障害が早期かつ著明に出現します。 5. 血管性パーキンソニズム ❌ 誤り。多発性脳梗塞によるパーキンソニズム、痙性麻痺、下肢優位の運動障害があり、転倒リスクが高いです。段階的に進行する運動機能障害が特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 転倒高頻度疾患の臨床特徴と転倒メカニズム | 疾患 | 主な運動障害 | 転倒の理由 | 転倒頻度 | |---|---|---|---| | **進行性核上麻痺** | 垂直眼球運動制限・頸部硬直・前傾姿勢 | 視野狭窄+姿勢障害 | 極めて高 | | **レビー小体認知症** | パーキンソニズム・姿勢不安定 | 固縮+注意変動による反応遅延 | 高 | | **特発性正常圧水頭症** | 磁石足歩行・歩行障害が主徴 | 高度な歩行障害が早期出現 | 極めて高 | | **血管性パーキンソニズム** | パーキンソニズム+痙性麻痺 | 多発梗塞による下肢運動障害 | 高 | | **アルツハイマー病** | 初期:なし / 末期:筋強直 | 認知機能低下が主体で運動系は保持 | 低 | キーワード整理 - PSP(進行性核上麻痺):下視困難が診断的価値→転倒の最大リスク - NPH三徴候:歩行障害が最も早期→転倒との関連最強 - 「アルツハイマー病は転倒しにくい」:運動障害が不在=この問題の正答根拠
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