第17回 言語聴覚士国家試験 第124問
解剖学第17回
網膜の錐体の特徴として誤っているのはどれか。
- 1.杆体と比べて数が少ない。
- 2.中心窩に集まっている。
- 3.色識別が可能である。
- 4.暗順応が遅い。 ✓
- 5.明所で活動する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 暗順応が遅い。
錐体は「明順応が遅い」が誤りではなく、実は「暗順応が遅い」という表現は特性を正確に反映していません。錐体は暗順応に関与せず、暗順応の主役は杆体です。錐体は明所に適応した視細胞であり、暗い環境では機能しません。「暗順応が遅い」という表現は、暗順応そのものに錐体が貢献しないため、誤りとなります。
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【各選択肢の解説】
1. 杆体と比べて数が少ない。
✅ 正しい。網膜には杆体が約1億2000万個、錐体が約600万個存在し、杆体の方が約20倍多くあります。
2. 中心窩に集まっている。
✅ 正しい。黄斑部の中心窩には錐体が選択的に集中しており、杆体はほとんど存在しません。最高の色視力と視力を提供します。
3. 色識別が可能である。
✅ 正しい。錐体は3種類の視物質(赤・緑・青)を持ち、色光に対する選別吸収性により色視が可能です。杆体は全て同じロドプシンを持つため、明暗のみを判別します。
4. 暗順応が遅い。
❌ 誤り。暗順応(暗い環境への適応)の主役は杆体です。錐体は暗い環境では機能しないため、「暗順応が遅い」ではなく「暗順応に関与しない」が正確です。むしろ「明順応が遅い」が誤った表現です。
5. 明所で活動する。
✅ 正しい。錐体は高い照度閾値を持ち、明るい環境でのみ活動します。杆体は低照度に敏感で、暗い環境で活動します。
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【試験対策ポイント】
| 項目 | 杆体 | 錐体 |
|---|---|---|
| **数** | 約1億2000万個 | 約600万個 |
| **分布** | 周辺網膜に多い | 中心窩に集中 |
| **視物質** | ロドプシン(1種類) | 3種類(赤・緑・青) |
| **機能** | 明暗視覚 | 色視覚・詳細視覚 |
| **活動環境** | 暗所(低照度) | 明所(高照度) |
| **感度** | 高感度 | 低感度 |
| **暗順応時間** | 20~30分 | 関与しない |
| **視力** | 低い | 高い |
**頻出ポイント:** 「暗順応」と「明順応」の混同を避けること。暗順応は杆体のロドプシン再合成が中心。