第28回 言語聴覚士国家試験 第23問
解剖学第28回
耳管を開く筋はどれか。
- 1.内側翼突筋
- 2.外側翼突筋
- 3.茎突舌骨筋
- 4.口蓋咽頭筋
- 5.口蓋帆張筋 ✓
正答:5番
解説
# 第28回 第23問 解説
■ 正答:5番 — 口蓋帆張筋
耳管は中耳腔と鼻咽頭を繋ぐ管で、通常は閉じていますが、嚥下やあくびの際に開きます。耳管を開く主要な筋は**口蓋帆張筋**で、その収縮により耳管軟骨部が引っ張られて開大し、中耳腔の換気と気圧調整が行われます。
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【各選択肢の解説】
1. 内側翼突筋
❌ 誤り。咀嚼筋の一つで、下顎骨の挙上(閉口)に働きます。耳管開放には関与しません。
2. 外側翼突筋
❌ 誤り。咀嚼筋の一つで、下顎の前方移動・側方運動に関与します。耳管開放機能はありません。
3. 茎突舌骨筋
❌ 誤り。舌骨上筋群に属し、嚥下時に舌骨を後上方へ引き上げます。耳管の開閉には関わりません。
4. 口蓋咽頭筋
❌ 誤り。軟口蓋から咽頭側壁に走行し、嚥下時の咽頭挙上や口峡を狭める働きを持ちます。耳管を開く作用はありません。なお、耳管周囲の筋として**耳管咽頭筋**がありますが、これとは別の筋です。
5. 口蓋帆張筋
✅ 正しい。翼状突起の翼突鈎を介して軟口蓋腱膜に停止し、収縮すると軟口蓋を緊張させると同時に**耳管軟骨部を外側に引いて耳管を開大**させます。嚥下時の耳管開放に最も重要な筋です。
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【試験対策ポイント】
**耳管に関わる筋(重要)**:
- **口蓋帆張筋**:耳管を開く主役。三叉神経(下顎神経)支配
- **口蓋帆挙筋**:軟口蓋を挙上、耳管開放を補助。迷走神経(咽頭神経叢)支配
- **耳管咽頭筋**:耳管開放を補助
**支配神経のひっかけ注意**:
口蓋帆張筋は軟口蓋の筋でありながら、唯一**三叉神経支配**である点が頻出です。他の軟口蓋筋(口蓋帆挙筋・口蓋咽頭筋・口蓋舌筋・口蓋垂筋)はすべて咽頭神経叢(迷走神経)支配です。
**臨床的意義**:
航空機搭乗時の耳の違和感に対し、嚥下やあくびを促すのは口蓋帆張筋を働かせて耳管を開き、中耳の気圧調整を行うためです。耳管機能不全は滲出性中耳炎の原因となります。