STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第127問

心理測定法第17回
正しいのはどれか。
  1. 1.適応法では増加または減少する比較刺激を順番に提示する。
  2. 2.上下法では弁別閾を測定することができない。
  3. 3.恒常法では刺激はランダムに提示される。 ✓
  4. 4.極限法では絶対閾を測定することができない。
  5. 5.調製法では空間誤差を避けることができる。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 恒常法では刺激はランダムに提示される。 恒常法は複数の標準刺激と比較刺激をランダムな順序で繰り返し提示し、被験者の判断データから閾値を統計的に求める方法です。刺激提示順序をランダムにすることで系統的誤差を最小化し、測定の信頼性を高めます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 適応法では増加または減少する比較刺激を順番に提示する。 ❌ 誤り。適応法(上昇・下降法に対する新しい分類)では、被験者の反応に応じて刺激強度を適応的に変化させます。単純な「順番の増減」ではなく、反応に基づいた動的な調整が特徴です。 2. 上下法では弁別閾を測定することができない。 ❌ 誤り。上下法は弁別閾測定に最適な方法です。標準刺激との比較において「同じ/異なる」の判断を繰り返すことで、弁別閾を効率的に求めることができます。 3. 恒常法では刺激はランダムに提示される。 ✅ 正しい。恒常法は複数の比較刺激をランダムな順序で提示し、各刺激に対する判断頻度から心理測定関数を構成します。順序効果や系統的誤差を避けるためにランダム提示が必須です。 4. 極限法では絶対閾を測定することができない。 ❌ 誤り。極限法は絶対閾測定の標準的な方法の一つです。刺激強度を段階的に上昇・下降させ、「感知/非感知」の転換点から閾値を求めます。 5. 調製法では空間誤差を避けることができる。 ❌ 誤り。調製法(可変法)は被験者が刺激を自由に調整するため、む しろ「空間誤差」(刺激の物理的位置に基づく判断の歪み)や「慣性誤差」が生じやすい特徴があります。 --- 【試験対策ポイント】 古典的な心理測定法の3つ | 方法 | 特徴 | 測定対象 | 利点 | |---|---|---|---| | 極限法 | 刺激を単調に上昇・下降 | 絶対閾・弁別閾 | 迅速・効率的 | | 調製法 | 被験者が刺激を自由調整 | 絶対閾・弁別閾 | 高い精度(訓練時) | | 恒常法 | 複数刺激をランダム提示 | 弁別閾 | 系統誤差が小さい | 重要な区別 - 絶対閾測定:極限法・調製法で可能 - 弁別閾測定:すべての方法で可能 - 刺激提示順序:恒常法のみランダム(他は順序性あり) 系統的誤差の種類 - 時間誤差:先行刺激への適応 - 空間誤差:刺激の物理的位置の影響 - 慣性誤差:被験者の判断の惰性 →恒常法とランダム提示がこれらを最小化
関連

▶ 第17回 全問一覧

▶ 心理測定法 の過去問一覧