STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第130問

臨床心理学第17回
防衛機制について正しいのはどれか。 a.投影とは、欲求を社会に認められる行動に変えて満足させることである。 b.反動形成とは、過去の行動や思考に伴う感情を、反対の行動や思考によって打ち消すことである。 c.昇華とは、重要な他者の多くの属性を取り入れて、自分が他者のようになることである。 d.合理化とは、言動を正当化するために理由づけすることである。 e.抑圧とは、受け入れがたい感情や思考などを意識から締め出すことである。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d,e 防衛機制の定義は精神分析理論の基礎であり、各概念の区別が試験頻出です。正答はd(合理化)とe(抑圧)の2つです。これらは防衛機制の正確な定義に合致する一方、a〜cは定義の混同や誤りが含まれています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 投影とは、欲求を社会に認められる行動に変えて満足させることである。 ❌ 誤り。これは「昇華」の定義です。投影とは、自分の受け入れがたい感情や欲求を他者に帰属させる防衛機制です。例えば、自分の敵意を相手が自分に敵意を持っていると思い込むことを言います。 b. 反動形成とは、過去の行動や思考に伴う感情を、反対の行動や思考によって打ち消すことである。 ❌ 誤り。反動形成の定義として「過去の行動」が強調されていますが、正確には「無意識の衝動」や「受け入れがたい感情」を、意識的にそれと反対の態度・行動・思考で表現することです。時間軸の「過去」という限定が不正確です。 c. 昇華とは、重要な他者の多くの属性を取り入れて、自分が他者のようになることである。 ❌ 誤り。これは「同一化」または「認同」の定義です。昇華とは、本能的欲求(特に性的・攻撃的衝動)を、社会的に価値のある活動(創作・学問・スポーツなど)に転換する防衛機制です。 d. 合理化とは、言動を正当化するために理由づけすることである。 ✅ 正しい。合理化は、自分の行動や選択を後付けで正当化・合理的に説明することです。例えば、受験に失敗した理由を「問題が悪い」「勉強時間が足りなかった」と正当化することです。 e. 抑圧とは、受け入れがたい感情や思考などを意識から締め出すことである。 ✅ 正しい。抑圧は最も基本的な防衛機制で、無意識のうちに苦痛な記憶や欲求を意識領域から排除する過程です。フロイト理論の中心概念です。 --- 【試験対策ポイント】 防衛機制の定義(頻出7つ) | 防衛機制 | 定義 | |---|---| | 抑圧 | 受け入れがたい感情・思考・記憶を意識から締め出す | | 投影 | 自分の欲求・感情を相手に帰属させる | | 反動形成 | 無意識の衝動と反対の態度を示す | | 昇華 | 本能的欲求を社会的価値のある活動に転換 | | 合理化 | 行動を後付けで正当化・理由づけする | | 同一化 | 重要な他者の属性を取り入れ、その人のようになろうとする | | 置き換え | ある対象への感情を別の対象に向ける | 紛らわしい組み合わせ ・昇華 ⇔ 合理化:昇華は「衝動の転換」、合理化は「理由づけ」 ・反動形成 ⇔ 投影:反動形成は「反対態度を示す」、投影は「相手に帰属させる」 ・抑圧 ⇔ 否認:抑圧は「無意識のうちに排除」、否認は「意識的に否定」 重要な否定知識 ・昇華が「他者模倣」ではない(それは同一化) ・反動形成が「過去」に限定されない ・投影が「他者への評価」ではない
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