第17回 言語聴覚士国家試験 第132問
生涯発達心理学第17回
Piaget.J.の発達理論に関係ないのはどれか。
a.同 化
b.強 化
c.馴 化
d.均衡化
e.脱中心化
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b, c(強化、馴化)
Piaget(ピアジェ)の発達理論は、認知構造の発達に焦点を当てており、「同化」「調節」「均衡化」「脱中心化」といった認知的メカニズムで発達段階を説明します。一方、「強化」はスキナー(Skinner)の行動主義理論の概念であり、「馴化」は学習心理学一般の概念であるため、Piagetの理論に関係ありません。
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【各選択肢の解説】
a. 同化
✅ 正しい。同化(assimilation)はPiagetが提唱した中核概念で、新しい情報や経験を既存の認知構造(スキーマ)に取り込むプロセスを指します。例えば、子どもが初めて見た動物を既知の「犬」というスキーマに当てはめる場合がこれに当たります。
b. 強化
❌ 誤り。強化(reinforcement)はSkinner(スキナー)の操作的条件付けの基本概念であり、反応頻度を増加させる刺激です。行動主義的な学習メカニズムであり、Piagetの認知的構成主義の理論には含まれません。
c. 馴化
❌ 誤り。馴化(habituation)は刺激に反復的に曝露されることで反応が低下する現象で、学習心理学全般で扱われる概念です。Piagetの発達理論の中心的概念ではなく、むしろ乳児の反射的行動の変化を説明する際に言及されることがある程度です。
d. 均衡化
✅ 正しい。均衡化(equilibration)はPiagetの発達理論における最も重要なメカニズムの一つで、同化と調節(accommodation)のバランスを取り戻すプロセスです。新しい刺激に直面して認知的不協和が生じた時、子どもはスキーマを修正・拡張してこの矛盾を解決しようとします。
e. 脱中心化
✅ 正しい。脱中心化(decentration)は、Piagetが提唱した具体的操作段階(7~11歳)の特徴的な認知能力で、複数の特性に同時に注意を向けることができるようになることを指します。前操作段階では中心化により一つの次元に固執していた思考が、この段階で脱却することで、保存概念(物質の量が変わらないこと)を獲得します。
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【試験対策ポイント】
| 理論家 | 中核概念 | 説明 |
|---|---|---|
| Piaget(ピアジェ) | 同化、調節、均衡化 | 認知的構成主義。スキーマの発達を説明 |
| Piaget | 脱中心化、可逆性 | 具体的操作段階の特徴 |
| Skinner(スキナー) | 強化、消去、罰 | 行動主義。反応頻度の変化を説明 |
| 学習心理学一般 | 馴化、感作 | 刺激への反応性の変化 |
キーワード:
- 同化=新しい情報を既存スキーマに統合
- 調節=新しい刺激に対応するためスキーマを修正
- 均衡化=同化と調節のバランスを取るプロセス
- 脱中心化=複数の次元に同時に注意を向ける(保存概念の獲得に必須)
- 強化=スキナーの行動主義(Piagetではない)
- 馴化=行動心理学の学習現象(発達理論ではない)