第17回 言語聴覚士国家試験 第133問
生涯発達心理学第17回
乳児の視知覚の発達研究に関係するのはどれか。
a.選好注視法
b.ストレンジ・シュチュエーション法
c.絵画統覚検査
d.ストループテスト
e.視覚的断崖検査
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(選好注視法と視覚的断崖検査)
乳児の視知覚発達を研究する方法は、乳児が何を見たいか・何を見分けられるかを測定する手法です。選好注視法(Fantz)は異なる視覚刺激への注視時間から知覚能力を測定し、視覚的断崖検査(Gibson & Walk)は深さ知覚と奥行き感の発達を測定します。一方、b・c・dは乳児の視知覚発達ではなく、愛着・人格特性・認知機能など全く異なる領域の検査です。
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【各選択肢の解説】
a. 選好注視法
✅ 正しい。Fantzが開発した古典的手法で、乳児が異なる2つの視覚刺激に注視する時間の差から「何が見えるのか」「何を区別できるのか」を測定します。顔の認識・色弁別・図形認識など視覚知覚発達の研究に広く用いられます。
b. ストレンジ・シュチュエーション法
❌ 誤り。Mary Ainsworthが開発した検査で、乳児の愛着スタイル(安定型・回避型・抵抗型など)を測定する方法です。乳児が母親との分離・再会場面でどう反応するかを観察するもので、視知覚とは無関係です。
c. 絵画統覚検査(TAT)
❌ 誤り。投影法の人格検査で、提示された曖昧な絵に対して被験者がどのようなストーリーを創作するかで人格特性を測定します。乳児には実施不可能で、視知覚発達とは無関係です。
d. ストループテスト
❌ 誤り。色単語と色そのものの不一致による干渉効果を測定する検査で、注意・実行機能・認知制御を評価するものです。乳児の視知覚発達ではなく、成人の高次認知機能測定に用いられます。
e. 視覚的断崖検査
✅ 正しい。Gibson & Walkが開発した検査で、透明なガラス板の上にチェッカーパターンを配置し、深さ知覚(奥行き感覚)と高さへの恐れ(深さ回避行動)が乳児にいつ発達するかを測定します。生後6ヶ月以降の視覚的・運動的発達研究の重要な手法です。
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【試験対策ポイント】
発達心理学における各種検査・研究法の整理
| 検査名 | 開発者 | 測定対象 | 乳幼児への適用 |
|---|---|---|---|
| 選好注視法 | Fantz | 視知覚(色・図形・顔認識) | ◎ 古典的手法 |
| 視覚的断崖検査 | Gibson & Walk | 深さ知覚・奥行き感 | ◎ 生後6ヶ月以降 |
| ストレンジ・シュチュエーション | Ainsworth | 愛着スタイル | ◎ 12-18ヶ月 |
| 絵画統覚検査 | Murray | 人格特性 | ✗ 児童以上 |
| ストループテスト | Stroop | 注意・実行機能 | △ 4-5歳以降 |
**視知覚発達研究の3つの古典的手法**
- 選好注視法:「見える」「区別できる」の測定
- 視覚的断崖検査:「恐れる」「回避する」行動の測定
- 追視検査(未出):眼球運動による焦点合わせ能力
**よくある混同**
- b(愛着)と a・e(視知覚)は全く別領域
- c・d は成人の高次機能検査(乳幼児には