第17回 言語聴覚士国家試験 第14問
音声障害第17回
声帯麻痺について正しいのはどれか。
- 1.末梢性より中枢性が多い。
- 2.挿管性では早期に手術を行う。
- 3.一側性のときは右側が多い。
- 4.一側性のときは気息性嗄声が特徴である。 ✓
- 5.両側性では嚥下障害が主症候となる。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 一側性のときは気息性嗄声が特徴である。
一側性声帯麻痺では、麻痺側の声帯が正中位に固定され、発声時に声帯が完全に閉鎖しないため、呼気がリークして気息性嗄声(嗄声)が生じます。声帯の不完全閉鎖により空気漏れが起こることが音声障害の主要な特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 末梢性より中枢性が多い。
❌ 誤り。声帯麻痺は末梢性(反回神経損傷)が圧倒的に多いです。中枢性声帯麻痺は非常に稀です。
2. 挿管性では早期に手術を行う。
❌ 誤り。挿管性声帯麻痺は一時的なことが多いため、まず経過観察を行います。3~6ヶ月経過観察後も改善がなければ手術を検討します。早期手術は行いません。
3. 一側性のときは右側が多い。
❌ 誤り。一側性声帯麻痺は左側が圧倒的に多いです(約75~80%)。これは左反回神経が大動脈弓を巻き込むため、腫瘍などで圧迫されやすいためです。
4. 一側性のときは気息性嗄声が特徴である。
✅ 正しい。一側性麻痺では麻痺側声帯が正中位に固定され、発声時に呼気がリークするため気息性嗄声が生じます。これが音声障害の主要な特徴です。
5. 両側性では嚥下障害が主症候となる。
❌ 誤り。両側性声帯麻痺の主症候は嚥下障害ではなく呼吸困難です。両側声帯が内転できないため、呼吸路が狭窄し、呼吸困難が主訴となります。嚥下障害は一般的ではありません。
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【試験対策ポイント】
声帯麻痺の基本的特徴の比較表:
| 項目 | 一側性 | 両側性 |
|---|---|---|
| 頻度 | 80%以上 | 20%以下 |
| 好発側 | 左側(75~80%) | - |
| 主症候 | 気息性嗄声 | 呼吸困難 |
| 音声 | 気息性嗄声・低下 | 嗄声は軽微 |
| 呼吸 | 正常 | 著しい困難 |
声帯麻痺の原因別頻度:
- 反回神経損傷(末梢性):90%以上
- 甲状腺手術・肺癌などによる圧迫が代表原因
- 左反回神経麻痺が右より3~4倍多い理由:大動脈弓への解剖学的特性
挿管性声帯麻痺の管理:
- 原則として保存的治療(経過観察)
- 3~6ヶ月を区切りとして回復評価
- 声帯の浮腫・ラリンゴマラシアなどは自然軽快の可能性