STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第146問

言語発達学第17回
ひらがなの読み書きの発達について正しいのはどれか。
  1. 1.話しことばとは別の系として発達する。
  2. 2.音と文字との対応規則の理解が必要である。 ✓
  3. 3.特殊モーラの中では撥音習得が最も遅い。
  4. 4.読みの習得時期がその後の読解能力を決定する。
  5. 5.初期には読み返しながら作文する。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 音と文字との対応規則の理解が必要である。 ひらがな習得の基礎は、音韻体系と文字体系を対応させる能力にあります。子どもが「あ」という音と「あ」という文字を結びつける、「か」という音と「か」という文字を結びつけるという、音と文字の対応規則を理解することが、読み書き習得の必須条件となります。この対応規則の理解が進むにつれて、体系的にひらがなを習得していきます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 話しことばとは別の系として発達する。 ❌ 誤り。ひらがなの読み書きは、獲得済みの話しことば(音韻体系)と結びつくことで発達します。話しことばという基盤があってこそ、文字体系の習得が進行します。完全に別系として独立しているわけではありません。 2. 音と文字との対応規則の理解が必要である。 ✅ 正しい。ひらがな習得には「ひとつの音に対して一つの文字が対応する」という対応規則の理解が必須です。この規則的な対応関係を理解することで、体系的に読み書きが発達していきます。 3. 特殊モーラの中では撥音習得が最も遅い。 ❌ 誤り。特殊モーラ(撥音「っ」・長音「ー」・撥鼻音「ん」)の中では、撥鼻音「ん」の習得が最も遅い傾向があります。撥音「っ」は早期に習得されることが多く、「ん」は音韻体系での位置づけの複雑さから習得が遅延します。 4. 読みの習得時期がその後の読解能力を決定する。 ❌ 誤り。読みの習得時期の早遅よりも、読解能力はその後の語彙拡大、文法理解、背景知識の蓄積などの要因に大きく影響されます。習得時期が遅くても、その後の学習や環境によって読解能力は十分に発達します。 5. 初期には読み返しながら作文する。 ❌ 誤り。むしろ初期段階では、音を順次文字に変換していく「逐語的」な書きかたが特徴で、読み返しをしながら推敲する段階は、かなり後期(高学年以降)に獲得される高度な作文スキルです。 --- 【試験対策ポイント】 ひらがな習得の段階的発達: | 段階 | 特徴 | 習得順序 | |---|---|---| | 初期段階 | 音と文字の対応規則を学習 | 基本46音から習得開始 | | 発展段階 | 特殊モーラの習得 | 撥音「っ」→長音「ー」→撥鼻音「ん」(「ん」が最遅) | | 読み書き初期 | 逐語的な読み書き・推敲なし | 順次的な変換作業 | | 高度な段階 | 読み返し・推敲・読解スキル | 後期に獲得される複合スキル | キーワード: - 音韻体系との結びつき(話しことばとの連携) - 対応規則の理解(1音1文字という基本原則) - 撥鼻音「ん」が最も習得困難 - 推敲スキルは高学年以降の習得
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