第17回 言語聴覚士国家試験 第188問
吃音第17回
20歳の吃音の男性。訓練として適切でないのはどれか。
- 1.硬起声発声の指導 ✓
- 2.メンタルリハーサル法
- 3.発話速度の低下
- 4.軽い構音接触
- 5.遅延聴覚フィードバックの使用
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 硬起声発声の指導
硬起声発声は、声帯を過度に強く閉じて発声する方法であり、吃音者の多くが症状を悪化させるために自然に行う悪い習慣です。訓練として意図的に指導することは、吃音を増悪させるため適切ではありません。吃音治療では、易しく自然な音声開始を促す訓練が原則となります。
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【各選択肢の解説】
1. 硬起声発声の指導
❌ 誤り。硬起声発声(hard glottal attack)は声帯を過度に緊張・圧迫させて発声開始する方法であり、吃音者が無意識に行う悪い代償行動です。これを意図的に指導することは、吃音を増悪させるため訓練として不適切です。
2. メンタルリハーサル法
✅ 正しい。メンタルリハーサル法は、実際に話す前に話す内容と話し方を心理的にリハーサルする技法です。吃音者の不安低減と発話準備の改善に有効とされており、認知行動療法の枠組みで吃音訓練に取り入れられます。
3. 発話速度の低下
✅ 正しい。発話速度を低下させることで、呼吸と音声の制御をより確実にでき、緊張を軽減します。ゆっくり、易しく話すことは吃音治療における基本原則の一つです。
4. 軽い構音接触
✅ 正しい。軽い構音接触(light articulation contact)は、発語器官の接触を意図的に軽くし、過度な力みを軽減する技法です。緊張軽減により吃音症状の改善が期待でき、流暢性シェイピング法の主要な要素です。
5. 遅延聴覚フィードバックの使用
✅ 正しい。遅延聴覚フィードバック(DAF:Delayed Auditory Feedback)は、自分の音声を0.1〜0.3秒遅延させて聞かせる装置です。多くの吃音者で一時的に流暢性が改善することが知られており、訓練補助具として活用されます。
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【試験対策ポイント】
吃音治療の基本原則
- 易しい発話:声帯や構音器官の力みを軽減
- ゆっくり:呼吸と音声制御を確保
- リラックス:心身の緊張を低減
吃音訓練の主要な技法
| 技法 | 特徴 | 効果 |
|---|---|---|
| 流暢性シェイピング法 | 軽い接触・ゆっくり・呼吸制御 | 流暢性向上 |
| 吃音軽減法 | 吃音を受容しながら軽減 | 不安低減 |
| DAF | 0.1〜0.3秒遅延音声フィードバック | 一時的流暢性改善 |
| メンタルリハーサル | 事前心理リハーサル | 不安低減・準備 |
硬起声発声(hard glottal attack)の理解
- 吃音者が無意識に行う悪い代償行動
- 声帯を過度に緊張・圧迫させて発声開始
- 吃音を悪化させるため、改善対象であり訓練目標ではない
- 易しい音声開始(easy glottal attack)を指導する