STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第189問

小児聴覚障害第17回
難聴を疑われた7歳児。会話域の平均聴力レベルが両側50dBであった。今後の方針決定に有用な検査はどれか。 a.内耳機能検査 b.耳音響放射 c.聴性脳幹反応 d.WISC-IV知能検査 e.アブミ骨筋反射 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — b,c,d 7歳児で両側50dB(会話域)の難聴が確認されている場合、今後の方針決定(補聴器適合・言語発達支援・学習支援の必要性など)に必要な情報は「難聴の原因・メカニズムの同定」と「認知機能・言語発達の評価」です。すでに聴力測定で難聴の程度は判明しているため、原因診断と全体的な発達評価を優先する検査を選択すべきです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 内耳機能検査 ❌ 誤り。7歳児にとって実施困難性が高く、この段階では必須ではありません。前庭機能の評価が必要な臨床兆候がない限り優先度は低いです。内耳機能検査(回転検査など)は特殊な環境と協力が必要で、難聴方針決定の直接的情報をもたらしません。 b. 耳音響放射(OAE) ✅ 正しい。外有毛細胞機能を評価し、感音難聴の「メカニズム(蝸牛由来か後迷路か)」を鑑別できます。難聴の原因診断(例:蝸牛機能低下 vs 聴神経障害)は補聴器適合判定や予後推定に重要です。 c. 聴性脳幹反応(ABR) ✅ 正しい。後迷路性難聴(聴神経障害、脳幹障害)の存在を判定できます。OAEと組み合わせることで「蝸牛性か後迷路性か」を鑑別し、治療方針(人工内耳候補か、補聴器か、医学的介入の必要性)を決定します。 d. WISC-IV知能検査 ✅ 正しい。7歳児の認知機能・言語発達指標を定量評価できます。難聴が言語発達に及ぼした影響、学習支援の必要性、補聴後のリハビリテーション目標設定に不可欠です。方針決定(特別支援教育の必要性判定)に直結します。 e. アブミ骨筋反射 ❌ 誤り。伝音難聴の診断補助として有用ですが、すでに50dBの感音難聴が両側で確認されている本例では診断的価値が限定的です。難聴の「原因」ではなく「補助診断」に過ぎず、方針決定の優先度は低いです。 --- 【試験対策ポイント】 難聴児の方針決定に必要な評価 | 検査 | 目的 | 本例での優先度 | |---|---|---| | OAE | 蝸牛機能(外有毛細胞)判定 | 高(メカニズム診断) | | ABR | 後迷路障害スクリーニング | 高(人工内耳適応判定) | | 知能検査 | 認知・言語発達評価 | 高(教育支援決定) | | 内耳機能検査 | 前庭機能評価 | 低(特殊症状がない場合) | | アブミ骨筋反射 | 伝音機構評価 | 低(感音難聴では補助的) | 7歳での難聴対応のポイント - すでに聴力レベルで定量化されている → 「原因」「メカニズム」「発達影響」の3軸評価へ - OAE陰性+ABR異常 → 後迷路障害可能性 → 医学的精査・人工内耳検討 - 知能検査スコア低値 → 言語発達遅延確認 → 聴覚リハビリ強化の指標 - ティンパノメトリー(反射検査)は伝音難聴検査 → 本例では感音難聴なので優先度外
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