第17回 言語聴覚士国家試験 第191問
小児聴覚障害第17回
3歳の聴覚障害児に関する評価の項目で適切でないのはどれか。
- 1.単音節語音の聴取能力 ✓
- 2.視覚聴覚併用の効果
- 3.療育環境の騒音
- 4.聴覚障害の程度
- 5.補聴器・人工内耳による聴覚補償の有効性
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 単音節語音の聴取能力
3歳児の聴覚障害評価では、発達段階に応じた年齢相応の聴覚活用能力を測定する必要があります。単音節語音は音韻識別に関わる高度な聴覚処理であり、3歳児にはまだ認知・言語発達の段階が合わず、検査の信頼性・妥当性が低くなるため評価項目として不適切です。一方、他の項目はすべて幼児の聴覚リハビリテーション計画に直結する実用的な情報です。
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【各選択肢の解説】
1. 単音節語音の聴取能力
❌ 誤り。単音節語音聴取は音韻弁別という高度な聴覚処理であり、3歳の発達段階では認知能力・言語理解が未成熟なため、検査結果の信頼性が低い。補聴器フィッティングの効果判定には単語や文レベルの聴取能力(より実用的な聴覚活用)を評価する方が適切です。
2. 視覚聴覚併用の効果
✅ 正しい。乳幼児は視覚による情報補充に大きく依存するため、唇読や身振りなどと聴覚を組み合わせた聴覚活用能力の評価は、実際の日常コミュニケーション能力を予測する上で重要です。
3. 療育環境の騒音
✅ 正しい。補聴器の効果は背景騒音に大きく左右されるため、保育園や家庭などの実際の聴環境における騒音レベルを把握することは、適切な補聴器選定・調整・聴覚活用指導に不可欠です。
4. 聴覚障害の程度
✅ 正しい。補聴器・人工内耳の適応判定、リハビリテーション方法の選択、言語発達予測など、すべての療育計画の基礎となるため最優先で評価します。
5. 補聴器・人工内耳による聴覚補償の有効性
✅ 正しい。装用効果の客観的・主観的評価(語音明瞭度、装用時間、コミュニケーション改善の有無など)により、現在の補聴方法が適切か、変更が必要かを判定する重要な情報です。
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【試験対策ポイント】
■ 3歳児の聴覚評価での発達段階の適切性
| 評価項目 | 3歳での適切性 | 理由 |
|---|---|---|
| 環境音の反応 | ◎ 最優先 | 条件反射的で認知負荷が低い |
| 単語レベルの理解・聴取 | ◎ 推奨 | 語彙発達段階と一致 |
| 単音節語音 | ❌ 不適切 | 音韻弁別は認知発達段階を超える |
| 文レベルの理解 | ○ 可 | 聴能発達の進行状況により判定 |
■ 小児聴覚障害評価の5つの必須視点
1. 聴覚障害の程度(聴力検査:BOA・コンディショニング)
2. 補聴効果の客観・主観評価(装用効果測定)
3. 生活環境の聴環境評価(騒音状況)
4. 視覚との相乗効果(口話・身振り・読み書き)
5. 年齢相応の発達段階への適合(認知・言語と検査難度のマッチング)
■ 3歳児の発達特性と聴覚検査の選択
- 語彙数:500~1,000語程度
- 文法発達:助詞が出現し始める時期
- 聴覚処理能力:単語や簡潔な指示には反応可能