STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第193問

聴覚系第17回
正しい組合せはどれか。
  1. 1.急性中耳炎 ― 経外耳道感染
  2. 2.真珠腫性中耳炎 ― 骨破壊 ✓
  3. 3.慢性中耳炎 ― アブミ骨筋反射陽性
  4. 4.耳小骨連鎖離断 ― ティンパノグラムB型
  5. 5.耳硬化症 ― 500Hzの骨導閾値の低下

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 真珠腫性中耳炎 ― 骨破壊 真珠腫性中耳炎は、中耳腔内に角質化した上皮が蓄積する疾患で、この異常な組織が周囲の骨(乳突骨など)を物理的・化学的に破壊するため、骨破壊は本疾患の特徴的所見です。聴力検査では骨導閾値が低下し、気骨導差が著しくなります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 急性中耳炎 ― 経外耳道感染 ❌ 誤り。急性中耳炎の主な感染経路は「経耳管感染」です。外耳道から鼓膜を穿破して中耳に至る経外耳道感染は、通常は急性中耳炎の原因ではなく、むしろ外耳道炎や中耳炎の継発症として発生します。 2. 真珠腫性中耳炎 ― 骨破壊 ✅ 正しい。真珠腫性中耳炎の主な特徴は「骨破壊」です。蓄積した角質化上皮が骨を侵襲し、乳突骨・耳小骨・顔面神経管などを破壊します。これは本疾患の最大の臨床的問題であり、画像診断(CT)でも骨欠損が確認されます。 3. 慢性中耳炎 ― アブミ骨筋反射陽性 ❌ 誤り。慢性中耳炎では鼓膜に穿孔があるため、中耳圧が大気圧と等しくなり、アブミ骨筋反射は「陰性(消失)」となります。反射の出現には正常な中耳圧と鼓膜の完全性が必須です。 4. 耳小骨連鎖離断 ― ティンパノグラムB型 ❌ 誤り。耳小骨連鎖離断はティンパノグラム「A型」(または高コンプライアンスのAd型)です。中耳圧は正常でコンプライアンスが増加します。B型は中耳腔内に滲出液がある場合(中耳炎)やティンパノスクレローシスで見られます。 5. 耳硬化症 ― 500Hzの骨導閾値の低下 ❌ 誤り。耳硬化症では骨導閾値が「低下(改善)」するのではなく、むしろ特定周波数で「上昇(悪化)」します。特に「Carhart現象」として2000Hzで著明な低下が見られ、2000Hz付近の骨導閾値が気導より良好になる逆転現象が特徴です。500Hzでの骨導低下は耳硬化症の典型ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 中耳疾患のティンパノグラムとコンプライアンスの組合せ | 疾患 | ティンパノグラム型 | 中耳圧 | コンプライアンス | 特徴 | |---|---|---|---|---| | 正常 | A型 | 正常 | 正常 | — | | 急性中耳炎 | B型 | ↑(高) | ↓(低) | 滲出液貯留 | | 慢性中耳炎 | B型 | — | ↓(低) | 鼓膜穿孔あり | | 耳小骨連鎖離断 | Ad型 | 正常 | ↑(高) | 中耳圧正常・耳小骨可動性↑ | | 耳硬化症 | A型 | 正常 | ↓↓(著減) | ステープス固着 | | ティンパノスクレローシス | As型 | 正常 | ↓↓(著減) | 耳小骨硬化
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