第17回 言語聴覚士国家試験 第195問
聴力検査第17回
成人聴覚障害者の聴取能力の評価について誤っているのはどれか。
- 1.閾値付近の音圧で語音聴取能力を評価する。 ✓
- 2.裸耳と補聴器装用下とで評価する。
- 3.単音節・単語・文を用いる。
- 4.SN比を変えて評価する。
- 5.クローズドセットの構成で難易度を変えて評価する。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 閾値付近の音圧で語音聴取能力を評価する。
語音聴取能力の評価は、**閾値よりも十分に大きい音圧(通常30~50dB以上の上乗せ)で行う**必要があります。閾値付近の弱い音では、反応にばらつきが大きく、正確な評価ができません。成人聴覚障害者の実生活での聴取を評価するには、実用的な音圧レベルでの能力測定が不可欠です。
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【各選択肢の解説】
1. 閾値付近の音圧で語音聴取能力を評価する。
❌ 誤り。語音聴取能力は閾値付近ではなく、**十分に大きい音圧(快適音量付近)で評価**します。閾値付近では反応の信頼性が低く、実生活での聴取状況を反映しません。
2. 裸耳と補聴器装用下とで評価する。
✅ 正しい。聴覚障害者の全体的な聴取能力を把握するため、補聴器装用による改善度を比較評価することは臨床実務上重要です。
3. 単音節・単語・文を用いる。
✅ 正しい。難易度を段階的に評価するため、単音節(難)→単語→文(易)という複数の言語単位を組み合わせて使用します。
4. SN比を変えて評価する。
✅ 正しい。信号雑音比を変えることで、実環境での騒音下聴取能力(実用性)を多角的に評価できます。これは補聴器の効果判定に重要です。
5. クローズドセットの構成で難易度を変えて評価する。
✅ 正しい。選択肢の数(例:4択→2択)を変えることで、認知的負荷と純粋な聴取能力を分離評価できます。難易度調整の標準的な手法です。
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【試験対策ポイント】
語音聴取能力評価の5つの要素
| 要素 | 内容 | 臨床的意義 |
|---|---|---|
| 音圧レベル | 快適音量(閾値+30~50dB以上) | 実生活での聴取に近い条件 |
| 装用条件 | 裸耳 vs 補聴器装用下 | 補聴器効果の定量評価 |
| 言語単位 | 単音節→単語→文 | 難易度段階化(単音節が最難) |
| 背景雑音 | SN比変更 | 実環境適応性の評価 |
| 選択肢数 | クローズドセット難易度調整 | 推測応答の影響度調査 |
キーワード
- 「実用的音圧」「快適音量」:成人の語音聴取評価では必須
- 「閾値付近」:反応が不安定・信頼度低い
- 「段階的難易度」:単音節>単語>文の順序は動かない