STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第196問

成人聴覚障害第17回
両側聴力レベル80dBの中途失聴者の失聴直後の情報保護として適切でないのはどれか。
  1. 1.補聴器
  2. 2.要約筆記
  3. 3.手話通訳 ✓
  4. 4.印刷資料
  5. 5.ノートテイク

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 手話通訳 失聴直後の中途失聴者の場合、聴覚障害から日が浅いため、手話の習得がまだ進んでいません。聴覚に頼ってきた人が突然手話を使いこなすことは困難であり、失聴直後の情報保障としては適切ではありません。一方、聴力が残存する、または補聴器の活用で音声言語の処理が可能な状態では、音声情報を活用した支援が優先されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 補聴器 ✅ 適切。失聴直後の段階で聴力レベル80dB程度であれば、補聴器による増幅で音声情報の聴取が可能です。音声言語に習熟している中途失聴者にとって最も効果的で実用的な支援です。 2. 要約筆記 ✅ 適切。音声情報を文字に変換する支援で、聴覚に頼ってこなかった人でも即座に理解できます。失聴直後の情報保障として有効で、習得期間が不要です。 3. 手話通訳 ❌ 適切ではない。中途失聴者は聴覚に頼ってきたため、手話言語をほぼ習得していません。失聴直後の段階では手話を理解・使用できないため、情報保障としては機能しません。手話習得には時間がかかり、長期的なコミュニケーション手段として将来的には有用ですが、失聴直後には不適切です。 4. 印刷資料 ✅ 適切。事前に書面で情報提供することで、音声に依存しない確実な情報保障が可能です。失聴直後でも文字言語は習得済みのため有効です。 5. ノートテイク ✅ 適切。会話や発言を文字で書き起こす支援で、即座に情報保障が実現でき、習得期間が不要です。要約筆記と同様、失聴直後の有効な支援方法です。 --- 【試験対策ポイント】 中途失聴者の支援:失聴直後 vs. 中長期 の段階別対応 | 支援方法 | 失聴直後の適用 | 中長期の適用 | 理由 | |---|---|---|---| | 補聴器 | ✅ 優先 | ✅ 継続 | 音声言語への習熟度が高い | | 要約筆記 | ✅ 有効 | ✅ 有効 | 習得期間不要・文字言語は既習 | | ノートテイク | ✅ 有効 | ✅ 有効 | 同上 | | 印刷資料 | ✅ 有効 | ✅ 有効 | 同上 | | 手話通訳 | ❌ 不適切 | ✅〜△ | 習得に時間が必要。習得後は選択肢の1つ | 重要否定知識 - 「手話は全ての聴覚障害者の第一選択ではない」(特に中途失聴者) - 先天性ろう児と異なり、中途失聴者は音声言語が母語 - 失聴直後は「既習スキル(読み書き)を活用した支援」が有効 失聴直後の判定キーワード →「聴覚依存者」「手話未習」「音声言語が母語」=手話不適切
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