STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第21問

聴覚系第17回
正しいのはどれか。
  1. 1.耳石器のうち球形嚢は下前庭神経支配である。 ✓
  2. 2.耳石器は頭部の回転運動を感知する。
  3. 3.耳管は内耳圧の調整を行う。
  4. 4.血管条は蝸牛の鼓室階外側にある。
  5. 5.蝸牛の中央階と鼓室階とはライスネル膜を介して接する。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 耳石器のうち球形嚢は下前庭神経支配である。 球形嚢は球形嚢斑という重力感知器官を持ち、前庭神経の下分枝(下前庭神経)によって支配されます。一方、卵形嚢は前庭神経の上分枝によって支配されます。耳石器系(球形嚢・卵形嚢)は直線加速度・重力方向の感知を担当し、回転感知は三半規管が担当するため、選択肢2との区別が重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 耳石器のうち球形嚢は下前庭神経支配である。 ✅ 正しい。球形嚢斑(重力感知器)は前庭神経の下分枝により支配されます。卵形嚢斑は上分枝支配です。 2. 耳石器は頭部の回転運動を感知する。 ❌ 誤り。耳石器(球形嚢・卵形嚢)は直線加速度と重力を感知します。回転運動の感知は三半規管の役割です。両器官の役割を混同しやすい誤りポイント。 3. 耳管は内耳圧の調整を行う。 ❌ 誤り。耳管は中耳と咽頭を結ぶ管で、「中耳圧」(気圧)の調整を行います。内耳圧の調整は前庭導水管を通じて中枢神経液循環の関与です。耳管の機能は「中耳」に限定されます。 4. 血管条は蝸牛の鼓室階外側にある。 ❌ 誤り。血管条は蝸牛の中央階外側にあります。血液から内リンパ液を産生する重要な器官です。「鼓室階」「前庭階」ではなく「中央階」という明確な位置関係が重要。 5. 蝸牛の中央階と鼓室階とはライスネル膜を介して接する。 ❌ 誤り。蝸牛の三つの階層は以下の膜で分隔されています: - 前庭階と中央階:前庭膜(Reissner膜)で分隔 - 中央階と鼓室階:基底膜で分隔 ライスネル膜は「前庭階と中央階」の間であり、中央階と鼓室階ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 前庭器官の神経支配: | 器官 | 支配神経 | 機能 | |---|---|---| | 卵形嚢 | 上前庭神経 | 直線加速度・重力 | | 球形嚢 | 下前庭神経 | 直線加速度・重力 | | 三半規管 | 前庭神経各枝 | 回転運動(角加速度) | 蝸牛の三階構造(膜で厳密に区分): | 上位 | 分隔膜 | 下位 | |---|---|---| | 前庭階(ペリリンパ) | 前庭膜(Reissner膜)←「前庭」と「中央」の間 | 中央階(内リンパ) | | 中央階(内リンパ) | 基底膜 | 鼓室階(ペリリンパ) | 血管条の位置:中央階の外側壁(内リンパ産生) 耳管の機能:中耳気圧調整(内耳圧ではない)→選択肢3の典型的な誤り
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