STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第24問

臨床神経学第17回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.黒質 ― パーキンソン病
  2. 2.脊髄前角 ― 筋萎縮性側索硬化症
  3. 3.海馬 ― アルツハイマー病
  4. 4.被殻 ― 意味性認知症 ✓
  5. 5.乳頭体 ― ウェルニッケ脳症

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 被殻 ― 意味性認知症 意味性認知症は側頭葉(特に前側頭葉)の変性が主病変です。被殻はハンチントン病や新興感染症で主に障害される部位です。意味性認知症は時間的順序記憶の障害で知られていますが、被殻の病変とは直接的な関連がありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 黒質 ― パーキンソン病 ✅ 正しい。パーキンソン病は黒質網様体でドーパミン含有神経細胞が変性・消失し、ドーパミン不足が特徴的な運動障害(安静時振戦、筋固縮、寡動)を引き起こします。 2. 脊髄前角 ― 筋萎縮性側索硬化症 ✅ 正しい。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は脊髄前角の下位運動ニューロンと皮質脊髄路の上位運動ニューロンが両方障害され、筋萎縮と痙性を同時に呈します。 3. 海馬 ― アルツハイマー病 ✅ 正しい。アルツハイマー病では海馬と内側側頭葉皮質の早期の萎縮が認められ、記憶障害(特に短期記憶の障害)が初期症状となります。 4. 被殻 ― 意味性認知症 ❌ 誤り。意味性認知症の主な病変部位は前側頭葉(側頭葉の前内側部)です。被殻の病変が主体となるのはハンチントン病(線条体萎縮)やいくつかの遺伝性脳疾患です。 5. 乳頭体 ― ウェルニッケ脳症 ✅ 正しい。ウェルニッケ脳症はチアミン(ビタミンB1)欠乏により乳頭体、中脳、四叢脳室周囲の灰白質が障害され、意識障害や眼球運動障害が特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 神経変性疾患と病変部位の対応(頻出テーマ) | 疾患 | 主病変部位 | 特徴 | |---|---|---| | パーキンソン病 | 黒質 | ドーパミン低下→動きが遅い | | ハンチントン病 | 被殻(線条体) | CAG反復数拡大→舞踏運動 | | ALS | 脊髄前角+皮質脊髄路 | 下位+上位運動ニューロン障害 | | アルツハイマー病 | 海馬・側頭葉 | 記憶障害が主体 | | 意味性認知症 | 前側頭葉(内側) | 意味理解の障害・固有名詞難 | | ウェルニッケ脳症 | 乳頭体・中脳 | チアミン欠乏(アルコール中毒) | 紛らわしい対応を覚えるコツ:「被殻はハンチントン」「海馬はアルツハイマー」と単体で暗記する
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