第17回 言語聴覚士国家試験 第26問
学習心理学第17回
社会的学習理論に関係ないのはどれか。
- 1.モデリング
- 2.学習性無力 ✓
- 3.代理強化
- 4.般化模倣
- 5.観察学習
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 学習性無力
学習性無力感(Learned Helplessness)はセリグマンが提唱した理論で、繰り返された否定的経験から「努力しても変わらない」という無力感を学習する現象です。これは古典的条件づけや道具的条件づけに基づく理論であり、社会的学習理論(バンデューラの理論)の枠組みには属しません。社会的学習理論は「観察と模倣を通じた学習」を中心としているため、学習性無力感は関係がありません。
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【各選択肢の解説】
1. モデリング
✅ 正しい。社会的学習理論の核となる概念で、他者の行動を観察して学習するプロセスです。バンデューラが重視した直接的経験がなくても学習が可能な仕組みです。
2. 学習性無力
❌ 誤り。セリグマンが提唱した理論で、制御不可能な負の事象の反復経験による学習です。古典的条件づけや道具的条件づけの枠組みであり、社会的学習理論とは異なる学習メカニズムです。
3. 代理強化
✅ 正しい。他者が報酬または罰を受けるのを観察することで、自分も同様に学習する現象です。社会的学習理論の重要な要素で、直接的経験がなくても強化効果が生じます。
4. 般化模倣
✅ 正しい。モデルの特定の行動を観察した後、その行動そのものではなく類似の新しい行動を模倣する現象です。社会的学習理論の観察学習を通じて説明される適応的行動です。
5. 観察学習
✅ 正しい。バンデューラが社会的学習理論の中心に位置づけた概念で、他者の行動と結果を観察することで学習が起こる現象です。注意・保持・再生・動機づけの4段階で成立します。
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【試験対策ポイント】
社会的学習理論(バンデューラ)の4要素:
- 注意過程:モデルの行動に注目
- 保持過程:観察した行動を記憶
- 再生過程:観察した行動を実行
- 動機づけ過程:報酬期待による実行判断
バンデューラ理論に含まれる現象:
- モデリング(基本概念)
- 代理強化(他者の報酬観察)
- 代理懲罰(他者の罰観察)
- 般化模倣(類似行動への拡張)
- 観察学習(モデル観察による習得)
学習性無力感との違い:
| 項目 | 社会的学習理論 | 学習性無力感 |
|---|---|---|
| 提唱者 | バンデューラ | セリグマン |
| 学習メカニズム | 観察と模倣 | 制御不可能な負経験 |
| 鍵概念 | モデリング | 努力無効性の認知 |
| ベース理論 | 認知的社会的学習 | 古典的・道具的条件づけ |
頻出誤答パターン:
「学習」という言葉で全て社会的学習理論と勘違いしやすいが、学習性無力感は古典的条件づけに基づく異なる理論体系です。