STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第28問

心理測定法第17回
順序尺度上の測定値の散布度として適切な総計量はどれか。
  1. 1.平均値
  2. 2.分散
  3. 3.中央値
  4. 4.四分位偏差 ✓
  5. 5.順位相関係数

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 四分位偏差 順序尺度では大小関係のみが定義され、値の間隔に意味がありません。そのため間隔尺度以上を前提とした統計量(平均値・分散)は使用不可であり、順序尺度で使用可能な散布度は「四分位偏差」です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 平均値 ❌ 誤り。平均値は間隔尺度以上が必須です。順序尺度では値を加算して計算することが統計学的に無意味なため、代わりに中央値を使用します。 2. 分散 ❌ 誤り。分散も間隔尺度以上を前提とした散布度です。平均値からの偏差の二乗の平均値として計算されるため、順序尺度では適用不可です。 3. 中央値 ❌ 誤り。中央値は散布度ではなく「代表値」(分布の中心を示す値)です。問題は「散布度」を求めているため適切ではありません。 4. 四分位偏差 ✅ 正しい。四分位偏差は(Q3−Q1)÷2で計算され、第1四分位数と第3四分位数という順序統計量を用いるため、順序尺度に対応しています。データの大小関係のみで計算可能です。 5. 順位相関係数 ❌ 誤り。これは2つの変数間の「関係の強さ」を示す指標であり、「散布度」ではありません。散布度とは1つの変数内のばらつきの程度です。 --- 【試験対策ポイント】 **測定尺度と使用可能な統計量の対応表** | 統計量 | 名義尺度 | 順序尺度 | 間隔尺度 | 比率尺度 | |---|:---:|:---:|:---:|:---:| | 度数・最頻値 | ○ | ○ | ○ | ○ | | 中央値 | ✗ | ○ | ○ | ○ | | 平均値 | ✗ | ✗ | ○ | ○ | | 分散・標準偏差 | ✗ | ✗ | ○ | ○ | | 四分位偏差 | ✗ | ○ | ○ | ○ | | 範囲 | ✗ | ○ | ○ | ○ | **代表値と散布度の違い** - 代表値:データ分布の「中心」を示す(平均値・中央値・最頻値) - 散布度:データの「ばらつき」を示す(分散・標準偏差・四分位偏差・範囲) **重要:順序尺度では「加算・減算」は統計学的に無意味** 順序尺度の例:満足度(とても満足、満足、どちらでもない、不満、とても不満)は順序関係のみで、「3」−「2」=「1」という計算に意味がありません。このため四分位数(大小順によって特定される値)は使用可能ですが、平均値(全値の合計÷個数)は使用不可です。
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