STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第29問

心理測定法第17回
正しいのはどれか。
  1. 1.一対比較法は形容詞対についても5段階や7段階の評定を求めるものである。
  2. 2.評定尺度法は、ある基準のもとにすべての刺激対象を順序づけさせる方法である。
  3. 3.マグニチュード推定法は、順序尺度上の測定値から比率尺度を間接的に構成する方法である。
  4. 4.SD法は、2つの刺激について大小、好悪などの判断をさせる方法である。
  5. 5.評定尺度法によって得られた測定値は、順序尺度である。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 評定尺度法によって得られた測定値は、順序尺度である。 評定尺度法は被験者に刺激を提示し、定められた段階(例:5段階、7段階)の中から該当する段階を選択させる方法です。得られた数値は段階の大小関係を示していますが、各段階間の間隔が必ずしも等間隔とは限らず、比率関係も成立しないため、順序尺度に分類されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 一対比較法は形容詞対についても5段階や7段階の評定を求めるものである。 ❌ 誤り。一対比較法は刺激対象の2つのものを一対ずつ比較させ、「どちらが大きいか」「どちらが好ましいか」など二者択一の判断を求める方法です。5段階や7段階の評定を求めるのは評定尺度法の特徴であり、一対比較法ではありません。 2. 評定尺度法は、ある基準のもとにすべての刺激対象を順序づけさせる方法である。 ❌ 誤り。その説明はランク順序法(順序付け法)です。評定尺度法は、各刺激について独立して段階を選択させるもので、すべての対象を相対的に順序づけするものではありません。 3. マグニチュード推定法は、順序尺度上の測定値から比率尺度を間接的に構成する方法である。 ❌ 誤り。マグニチュード推定法は標準刺激に対して、被験者が提示された刺激の大きさを数値で直接判断させる方法で、比率尺度を直接得ます。「間接的に構成」という表現は誤りです。 4. SD法は、2つの刺激について大小、好悪などの判断をさせる方法である。 ❌ 誤り。SD法(Semantic Differential Scale:意味差別化法)は1つの刺激に対して、複数の形容詞対(例:「良い↔悪い」「美しい↔醜い」)を両極とした7段階尺度で評定させる方法です。2つの刺激の比較判断を求めるものではありません。 5. 評定尺度法によって得られた測定値は、順序尺度である。 ✅ 正しい。評定尺度法では被験者が「1点」「5点」などの段階を選択しますが、この数値は段階間の間隔が均等でない可能性が高く、比率関係も意味を持たないため、順序尺度に分類されます。得られた数値をパラメトリック検定に用いるには注意が必要です。 --- 【試験対策ポイント】 心理測定法の主要な5つの方法と特徴: | 測定法 | 刺激提示方法 | 判断内容 | 得られる尺度 | |---|---|---|---| | 評定尺度法 | 刺激を個別に提示 | 各刺激を独立して5〜7段階で評定 | 順序尺度 | | ランク順序法 | 複数刺激を同時提示 | すべての刺激を大小順に順序づけ | 順序尺度 | | 一対比較法 | 2つの刺激を提示 | 対象間で二者択一判断 | 順序尺度 | | SD法 | 1つの刺激を提示 | 形容詞対で意味を多次元評定 | 順序〜間隔尺度 | | マグニチュード推定法 | 刺激を個別に提示 | 標準刺激との大きさを数値で直接判断 | 比率尺度 | 紛らわしい点の整理: - 「段階的評定=間隔尺度」という誤解が多いが、実際には順序尺度であることが多い
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