第17回 言語聴覚士国家試験 第3問
解剖学第17回
ヒトの中枢神経系の発生について誤っているのはどれか。
- 1.神経溝から神経管が形成される。
- 2.神経管の発生は胎生4週頃始まる。
- 3.神経管の癒合は尾部から開始される。 ✓
- 4.神経管の尾側3分の1の長さに相当する部分が脊髄に発達する。
- 5.正常な大脳皮質は6層構造を形成する。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 神経管の癒合は尾部から開始される。
神経管の癒合は頭部(頭側)から開始される。尾部から開始されるのは誤りです。実際には、神経管は頭部付近で最初に癒合が始まり、その後尾側方向へと進行していきます。この発生過程の理解は、神経管閉鎖不全症の臨床的意義を把握する上で重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 神経溝から神経管が形成される。
✅ 正しい。外胚葉の一部が陥入して神経溝を形成し、その溝の辺縁が癒合することで神経管が形成される。これが中枢神経系の起源です。
2. 神経管の発生は胎生4週頃始まる。
✅ 正しい。神経板の凹陥が始まるのはおよそ胎生3週後半であり、神経管の形成が進行する主要な時期は胎生4週頃です。この時期は妊娠の超初期であり、多くの場合まだ妊娠に気付かない時期です。
3. 神経管の癒合は尾部から開始される。
❌ 誤り。神経管の癒合は頭部(頭側)から開始され、その後尾側方向へ進行します。脳領域の形成が優先的に進むため、解剖学的に頭部側から始まります。
4. 神経管の尾側3分の1の長さに相当する部分が脊髄に発達する。
✅ 正しい。神経管のうち、頭側3分の2は脳に、尾側3分の1は脊髄に分化発達します。この比率は胚発生段階での基本的な部位分化です。
5. 正常な大脳皮質は6層構造を形成する。
✅ 正しい。大脳皮質は胎生期の神経管からの発生を経て、出生時にはすでに6層構造が形成されています。この6層は層Ⅰから層Ⅵまで、それぞれ異なる神経細胞系統と機能を有します。
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【試験対策ポイント】
神経管発生の時間軸と方向性
| 発生段階 | 時期 | 進行方向 | 重要ポイント |
|---|---|---|---|
| 神経板形成 | 胎生3週 | — | 外胚葉が厚くなる |
| 神経溝の形成 | 胎生3~4週初期 | — | 神経板が凹陥 |
| 神経管の癒合 | 胎生4週中~後期 | 頭側→尾側 | 頭部から尾部へ進行 |
| 脊髄への分化 | 胎生4週以降 | — | 神経管尾側3分の1 |
中枢神経系の分化
- 頭側3分の2 → 脳(前脳・中脳・後脳)
- 尾側3分の1 → 脊髄
頭部の優先性:脳の発生が脊髄より優先的に進行するため、神経管の癒合も頭部から開始される
大脳皮質の層構造:6層すべてが出生時にはすでに形成されており、層Ⅳ(内顆粒層)は感覚皮質で発達