第17回 言語聴覚士国家試験 第32問
臨床心理学第17回
クライアント中心療法について正しいのはどれか。
- 1.クライアントの持つ問題について、認知や情緒、行動的な立場から積極的に解決をはかる。
- 2.クライアントに対する無条件の肯定的な配慮や共感的理解を重視する。 ✓
- 3.クライアントに、やるべきことを目的本位・行動本位に行わせる。
- 4.クライアントの対人関係における具体的なやりとりを分析し、交流様式の改善をはかる。
- 5.クライアントの夢を「今、ここ」において再現し、登場人物や事物になってみる技法を用いる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — クライアントに対する無条件の肯定的な配慮や共感的理解を重視する。
クライアント中心療法はCarl Rogersによって創設された非指示的心理療法です。核心は「クライアントの内部にある自己成長の力を信じ、支援者の無条件の肯定的配慮(unconditional positive regard)と共感的理解によってそれを引き出す」という立場にあります。セラピストは判断・評価・指導を避け、クライアント自身が問題を整理し解決策を見つけることを信頼します。
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【各選択肢の解説】
1. クライアントの持つ問題について、認知や情緒、行動的な立場から積極的に解決をはかる。
❌ 誤り。この説明は「認知行動療法」の特徴です。セラピストが積極的に問題解決を図るアプローチであり、クライアント中心療法の非指示的姿勢と矛盾します。
2. クライアントに対する無条件の肯定的な配慮や共感的理解を重視する。
✅ 正しい。Rogersが提唱した「3つの基本的態度」(無条件の肯定的配慮・共感的理解・自己一致)の中核です。クライアントの存在そのものを受け入れる姿勢が治療的変化をもたらします。
3. クライアントに、やるべきことを目的本位・行動本位に行わせる。
❌ 誤り。これは「行動療法」や「論理療法」など目標指向的アプローチの特徴です。クライアント中心療法では、セラピストがやるべきことを指示することはありません。
4. クライアントの対人関係における具体的なやりとりを分析し、交流様式の改善をはかる。
❌ 誤り。この説明は「交流分析(TA)」の特徴です。自我状態(P・A・C)間の交流パターンを分析して改善をはかります。
5. クライアントの夢を「今、ここ」において再現し、登場人物や事物になってみる技法を用いる。
❌ 誤り。この説明は「ゲシュタルト療法」の「エンプティチェア技法」などの特徴です。ゲシュタルト療法は体験的・現在中心的で、クライアント中心療法とは異なります。
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【試験対策ポイント】
| 療法 | 特徴 | キーワード |
|---|---|---|
| クライアント中心療法 | 非指示的・個人の成長力を信頼 | 無条件の肯定的配慮・共感・自己一致 |
| 認知行動療法 | セラピストが積極的に問題解決 | 認知の歪み・行動修正 |
| 行動療法 | 学習理論に基づく | 強化・消去・古典的条件づけ |
| 交流分析 | 対人関係パターン分析 | P・A・C・ゲーム分析 |
| ゲシュタルト療法 | 現在の体験と知覚に焦点 | エンプティチェア・今ここ |
Rogersの3つの基本的態度:
- 無条件の肯定的配慮(ありのままを受け入れる)
- 共感的理解(クライアントの主観的世界を理解する)
- 自己一致(セラピストの言動・内面が一致している)