第17回 言語聴覚士国家試験 第35問
生涯発達心理学第17回
典型的な発達について正しいのはどれか。
- 1.9か月ころ社会的参照が可能になり始める。 ✓
- 2.3歳ころ社会的微笑が見られ始める。
- 3.6歳ころ目的ー手段関係を理解し始める。
- 4.9歳ころ心の理論が理解され始める。
- 5.12歳ころシンボル機能が獲得され始める。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 9か月ころ社会的参照が可能になり始める。
社会的参照とは、不確実な状況で他者の表情や反応を手がかりに自分の行動を調整する能力です。9か月ころから乳幼児がこの能力を発揮し始め、親の表情を見て危険かどうかを判断するようになります。この時期は認知発達が進み、他者の心的状態を読み取る能力が芽生える時期に該当します。
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【各選択肢の解説】
1. 9か月ころ社会的参照が可能になり始める。
✅ 正しい。社会的参照は9~12か月に出現し始める発達現象で、乳幼児が環境の曖昧さに対して大人の反応を観察し、自分の行動を調整する能力です。斜面の高さ知覚実験(Visual Cliff)でも確認されています。
2. 3歳ころ社会的微笑が見られ始める。
❌ 誤り。社会的微笑は生後2~3か月で出現します。3歳ころには既に複雑な感情表現が可能になっており、この選択肢は発達段階を大幅に遅く設定しています。
3. 6歳ころ目的ー手段関係を理解し始める。
❌ 誤り。目的ー手段関係の理解はPiaget理論の感覚運動期第5段階(生後9~12か月)で獲得されます。6歳ころには既に具体的操作期に進んでいます。
4. 9歳ころ心の理論が理解され始める。
❌ 誤り。心の理論(他者が異なる信念や知識を持つことの理解)は、通常3~5歳で確立します。9歳ではこの能力が既に習得され、より複雑な他者理解が可能になっています。
5. 12歳ころシンボル機能が獲得され始める。
❌ 誤り。シンボル機能(事物を表象で置き換える能力)はPiaget理論の前操作期開始時(1.5~2歳)に獲得されます。12歳では形式的操作期に入っており、はるか以前の話です。
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【試験対策ポイント】
発達段階と主要な心理現象の対応表:
| 時期 | 月齢・年齢 | 主要な発達現象 |
|---|---|---|
| 新生児期 | 0~1か月 | 原始反射 |
| 乳児前期 | 1~3か月 | 社会的微笑開始 |
| 乳児中期 | 3~6か月 | 音の出し声 |
| 乳児後期 | 6~9か月 | 物体永続性、後追い |
| **乳児晩期** | **9~12か月** | **社会的参照、目的-手段関係** |
| 幼児前期 | 1~2歳 | シンボル機能、初語 |
| 幼児中期 | 2~3歳 | 2語文、自我の芽生え |
| 幼児後期 | 3~5歳 | **心の理論** |
| 児童期前期 | 6~9歳 | 具体的操作期 |
重要な否定知識:
- 社会的参照は「生後1~2か月」ではなく「生後9か月以降」
- 心の理論は「9歳」ではなく「3~5歳」で獲得開始
- シンボル機能は「12歳」ではなく「1.5~2歳」で獲得開始