第17回 言語聴覚士国家試験 第47問
言語発達学第17回
2語文を使い始めた幼児の2語文の特徴について正しいのはどれか。
- 1.形容詞は使用しない。
- 2.助詞を正確に使用する。
- 3.語をランダムに結びつける。
- 4.表出語彙がほぼ200語を超えると出現する。
- 5.同じ語連鎖でも異なる意味関係をもつものがある。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 同じ語連鎖でも異なる意味関係をもつものがある。
2語文段階の幼児は、同じ語の組み合わせであっても、文脈や状況に応じて異なる意味関係を持つことが特徴です。例えば「わんわん いった」は「犬が去った」と「犬がいる」など複数の解釈が可能であり、このセマンティック・リレーション(意味関係)の多様性が2語文の重要な特徴として認識されています。
---
【各選択肢の解説】
1. 形容詞は使用しない。
❌ 誤り。2語文の段階でも形容詞は使用されます。「赤い ぼうし」「大きい わんわん」など、形容詞+名詞の組み合わせは一般的に観察されます。
2. 助詞を正確に使用する。
❌ 誤り。2語文段階では助詞は省略されることがほとんどです。「ママ いた」「ワンワン いった」のように、内容語を中心とした語の連鎖であり、助詞を正確に使用するのは3語以上の文へ発展した段階です。
3. 語をランダムに結びつける。
❌ 誤り。2語文は決してランダムではなく、セマンティック・リレーション(意味関係)に基づいて組織化されています。「主語+述語」「行為者+対象」など、一定の論理的関係が存在します。
4. 表出語彙がほぼ200語を超えると出現する。
❌ 誤り。2語文の出現は一般的に表出語彙が50~100語程度の時期(生後18~24ヶ月)です。200語は誤った基準値で、この段階ではより複雑な文構造へ移行している時期です。
5. 同じ語連鎖でも異なる意味関係をもつものがある。
✅ 正しい。2語文の重要な特徴です。「ママ いた」は「ママがいる」(存在)と「ママが行った」(消失・移動)の両義性を持つなど、表面的に同じ語の並びが異なるセマンティック・リレーション(意味関係)を表現します。
---
【試験対策ポイント】
2語文発達の重要知識
| 時期 | 表出語彙 | 文法的特徴 | 意味的特徴 |
|---|---|---|---|
| 1語文段階 | 50語未満 | 単語のみ | 具体的対象物 |
| **2語文段階** | **50~100語** | **内容語中心・助詞省略** | **セマンティック・リレーション多様** |
| 3語以上 | 100~200語 | 助詞使用開始 | 複雑な論理関係 |
2語文の典型的なセマンティック・リレーション
・行為者+行為:「ママ いた」
・行為+対象:「ワンワン かった」
・行為者+対象:「ワンワン くつ」
・属性+対象:「赤い ぼうし」
・所有者+被所有物:「ママ くつ」
頻出混同ポイント
・「200語は誤り」→2語文出現時点では50~100語程度
・「ランダムではない」→セマンティック・リレーションに基づく体系的な組織化
・「助詞未使用」→2語文段階では助詞が省略される(これが発達的特徴)