第17回 言語聴覚士国家試験 第53問
言語聴覚障害総論第17回
誤っている組合せはどれか。
- 1.機能性構音障害 ― 聴覚刺激法
- 2.痙性構音障害 ― 流暢性形成アプローチ ✓
- 3.吃音 ― 環境調整法
- 4.言語発達障害 ― インリアル・アプローチ
- 5.嚥下障害 ― メンデルゾーン法
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 痙性構音障害 ― 流暢性形成アプローチ
痙性構音障害は痙性麻痺による構音障害であり、その対応は「音韻列挙法」「舌の巧緻性訓練」「呼吸訓練」など運動機能の改善に焦点を当てたアプローチが主体です。流暢性形成アプローチは吃音における話速低下や無理のない発語を促すアプローチであり、痙性構音障害の治療法として適切ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 機能性構音障害 ― 聴覚刺激法
✅ 正しい。機能性構音障害(器質的異常がない音韻障害)に対しては、聴覚刺激法(標的音を聴かせる)により音韻知覚と生成を促進させることが基本的な治療アプローチです。
2. 痙性構音障害 ― 流暢性形成アプローチ
❌ 誤り。痙性構音障害は両側錐体路障害による運動制御の困難さが本質であり、流暢性形成アプローチ(吃音の話速制御)は適切な対応ではありません。痙性構音障害には呼吸・共鳴調整や筋緊張コントロールが必要です。
3. 吃音 ― 環境調整法
✅ 正しい。吃音の治療には「聴者の対応調整」「質問を減らす」「スローダウン」など環境調整法が有効であり、特に幼児吃音への一次予防として重要です。
4. 言語発達障害 ― インリアル・アプローチ
✅ 正しい。インリアル・アプローチ(INcidental TEaching in Actual Routines and Learning environment)は、日常生活の自然な場面で機能的な語彙・文法を対象児が主体的に習得できるよう促す、言語発達障害への標的的な早期介入法です。
5. 嚥下障害 ― メンデルゾーン法
✅ 正しい。メンデルゾーン法は、嚥下時の喉頭挙上を自覚的に維持(2秒以上)させることで食道入口部の開大を促進し、咽頭期嚥下障害の治療に用いられる標準的なアプローチです。
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【試験対策ポイント】
構音障害の治療アプローチ対応表
| 構音障害タイプ | 原因 | 主要な治療アプローチ |
|---|---|---|
| 機能性構音障害 | 器質的異常なし(音韻障害) | 聴覚刺激法・音韻対比法 |
| 運動障害性構音障害(痙性) | 両側錐体路障害 | 呼吸・共鳴調整・筋緊張コントロール |
| 運動障害性構音障害(弛緩性) | 下位運動ニューロン障害 | 顔面・舌訓練・呼吸訓練 |
| 構音器官奇形 | 口蓋裂など器質異常 | 音声言語訓練(手術後) |
吃音の治療法
流暢性形成アプローチ:話速低下・リズム制御・呼吸訓練(話者本人への直接訓練)
環境調整法:聴者対応変容・質問頻度減少・プレッシャー軽減(環境・養育者への働きかけ)
嚥下訓練法(咽頭期障害対応)
メンデルゾーン法:喉頭挙上の延長化(2秒以上保持)→食道入口部開大促進
マッサージ法:咽頭筋への触覚刺激
サッカル法:複数回嚥下による食塊排出促進
頻出混