STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第55問

失語症第17回
ブローカ野に含まれるものはどれか。 a.. 左中心前回下部 b.. 左中前頭回後部 c.. 左下前頭回三角部 d.. 左下前頭回弁蓋部 e.. 左下前頭回眼窩部 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c.左下前頭回三角部 と d.左下前頭回弁蓋部 ブローカ野は左下前頭回の後部に位置し、解剖学的には三角部(pars triangularis)と弁蓋部(pars opercularis)の2つの区分で構成されます。これらは運動性言語の産生に関わる中核領域です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 左中心前回下部 ❌ 誤り。中心前回(一次運動野M1)は言語産生の直接的な中核ではなく、ブローカ野の補助領域に位置付けられます。ブローカ野は下前頭回に局在するため、中心前回は含まれません。 b. 左中前頭回後部 ❌ 誤り。中前頭回はブローカ野より頭側に位置する領域であり、ブローカ野の解剖学的範囲に含まれません。付近には補助運動野や認知機能関連領域がありますが、古典的なブローカ野定義には含まれません。 c. 左下前頭回三角部 ✅ 正しい。ブローカ野の主要な構成要素の1つです。三角部はBA45(ブロードマン44野周辺)に相当し、文法的な言語処理や文構造の産生に関わります。 d. 左下前頭回弁蓋部 ✅ 正しい。ブローカ野のもう1つの主要な構成要素です。弁蓋部はBA44(ブロードマン44野そのもの)に相当し、音韻情報処理や運動性言語出力の制御に関わります。 e. 左下前頭回眼窩部 ❌ 誤り。眼窩部(pars orbitalis)はブローカ野より腹側に位置し、古典的なブローカ野の定義には含まれません。情動や意思決定に関わる領域です。 --- 【試験対策ポイント】 ブローカ野の解剖学的構成 | 区分 | ブロードマン野 | 機能 | 含まれるか | |---|---|---|---| | 三角部 | BA45付近 | 文法・統語処理 | ✅ 含まれる | | 弁蓋部 | BA44 | 音韻処理・運動出力 | ✅ 含まれる | | 眼窩部 | BA47下部 | 情動・意思決定 | ❌ 含まれない | | 中前頭回 | BA46・9 | 作業記憶・認知制御 | ❌ 含まれない | 下前頭回の位置関係(頭側から尾側へ) 1. 眼窩部(腹側・最下方)→ ブローカ野に含まれない 2. 三角部(中央) → ✅ ブローカ野の中核 3. 弁蓋部(背側) → ✅ ブローカ野の中核 頻出陷阱 - 「ブローカ野=下前頭回全体」と誤解しやすい。実際には下前頭回のうち「後部の三角部と弁蓋部のみ」です - 中心前回との区別:中心前回は一次運動野(M1)であり、言語産生の周辺領域ですがブローカ野ではありません - BA44と45の違い:受験では細かい機能差は問われないが、両者ともブローカ野に含まれることは確実に押さえるべき知識
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