第17回 言語聴覚士国家試験 第62問
高次脳機能障害第17回
バリント(Bálint)症候群の責任病巣はどれか。
- 1.前頭側頭葉
- 2.前頭頭頂葉
- 3.側頭頭頂葉
- 4.側頭後頭葉
- 5.頭頂後頭葉 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 頭頂後頭葉
バリント症候群は両側頭頂後頭葉(特に頭頂葉と後頭葉の接合部)の損傷により、視覚探索能力の低下、精神運動性注視麻痺、視覚失調が三徴として現れます。この領域は視覚情報の統合と空間認識に重要な役割を果たしており、双極性の後頭部病巣が特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 前頭側頭葉
❌ 誤り。この領域の損傷は主に言語機能(ブローカ失語など)、意味記憶の障害、行動・人格変化をきたします。バリント症候群の視空間認識障害とは無関係です。
2. 前頭頭頂葉
❌ 誤り。この領域は運動野・体性感覚野を含み、運動麻痺や感覚障害を主症状とします。バリント症候群のような視覚的な注視・探索の障害とは関連しません。
3. 側頭頭頂葉
❌ 誤り。この領域は聴覚・音韻処理や側頭葉言語機能に関わり、Wernicke失語などをきたします。視覚的注視障害を起こす責任病巣ではありません。
4. 側頭後頭葉
❌ 誤り。後頭葉は視覚一次皮質を含みますが、側頭葉との接合部中心では色や物体認識(物体認識経路)の障害が主となり、バリント症候群の視空間探索・注視障害は生じません。
5. 頭頂後頭葉
✅ 正しい。両側頭頂後頭葉(特に頭頂葉後部から後頭葉にかけて)の損傷がバリント症候群を起こします。この領域は背側視覚経路(「どこにあるか」システム)の中枢であり、視覚的注意・空間定位に必須です。
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【試験対策ポイント】
バリント症候群の3徴候と責任病巣の対応関係
| 症状 | 機能障害 | 神経基盤 |
|---|---|---|
| 精神運動性注視麻痺 | 視線を目標に向けられない | 両側頭頂後頭葉 |
| 視覚失調(視覚性運動失調) | 見えているが手が目標に届かない | 背側視覚経路の障害 |
| 視覚探索障害 | スキャニング能力の低下 | 空間注意の障害 |
高次脳機能障害における領域別機能のまとめ
| 領域 | 主な機能 | 障害時の症状 |
|---|---|---|
| 前頭側頭葉 | 言語・意味記憶・行動制御 | ブローカ失語、行動変化、意味痴呆 |
| 前頭頭頂葉 | 運動・感覚統合 | 運動麻痺、体性感覚障害 |
| 側頭頭頂葉 | 聴覚・言語理解 | Wernicke失語、音韻障害 |
| 側頭後頭葉 | 物体認識 | 視覚失認(色覚異常) |
| **頭頂後頭葉** | **背側視覚経路(空間認識)** | **バリント症候群、視覚失調** |
頻出の視覚関連高次脳機能障害
- バリント症候群:頭頂後頭葉の双極性損傷→注視麻痺+視覚失調+視覚探索障害
- 視覚失認:側頭後頭葉(腹側経路)→対象は見えるが認識できない
- 半盲:後頭葉単独→視