STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第66問

言語発達障害学第17回
注意欠陥/多動障害の二次障害でないのはどれか。
  1. 1.不安障害
  2. 2.反抗挑戦性障害
  3. 3.うつ状態
  4. 4.人格障害 ✓
  5. 5.行為障害

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 人格障害 注意欠陥/多動性障害(ADHD)の二次障害とは、ADHD自体の症状に加えて、対人関係の失敗や学業不振による心理的ストレスが蓄積することで発症する障害です。ADHD患者に高頻度で併存する1~3番・5番に対して、人格障害は成人期の安定した人格特性の偏りであり、ADHD発症後に二次的に生じるものではなく、むしろ発達的背景が異なります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 不安障害 ❌ 誤り(ADHD患者に多く見られる二次障害)。ADHDの衝動性や注意散漫により、社会的失敗や人間関係上の問題が増加し、これが心理的ストレスとなって不安障害が発症しやすくなります。 2. 反抗挑戦性障害 ❌ 誤り(ADHD患者に多く見られる二次障害)。ADHDの子どもが環境適応に失敗し、大人の指示に従えないことで家庭・学校での葛藤が生じ、反抗挑戦性障害へ進展することがあります。DSM-5ではADHDとの併存率が高いことが記述されています。 3. うつ状態 ❌ 誤り(ADHD患者に多く見られる二次障害)。学業成績不振、友人関係の破綻、自己評価の低下などが累積することで、二次的にうつ状態に陥るADHD患者は多いです。特に思春期以降に顕著です。 4. 人格障害 ✅ 正しい。人格障害は成人期に安定した人格特性の偏りであり、ADHD自体が原因となって発症する二次障害ではなく、異なる神経発達的背景を持つ別個の精神疾患です。ADHDと人格障害は併存することもありますが、因果関係ではなく独立した条件です。 5. 行為障害 ❌ 誤り(ADHD患者に多く見られる二次障害)。ADHDの衝動性と社会適応困難が重なることで、反社会的行動や規則違反が増加し、行為障害に進展するリスクが高まります。両者の併存は15~50%程度と報告されています。 --- 【試験対策ポイント】 ADHDの二次障害vs独立した疾患の区別 | 概念 | 特徴 | 例 | |---|---|---| | 二次障害 | ADHDの結果として発症。因果関係あり。ストレス・失敗経験が誘因 | 不安障害、反抗挑戦性障害、行為障害、うつ状態 | | 併存疾患(独立) | ADHDと同時に存在するが、ADHDが直接的原因ではない | 人格障害、ASD、学習障害など | 重要な否定知識: ・人格障害=「ひどい環境適応の結果」ではなく「生涯にわたる安定した人格特性の偏り」 ・ADHD患者全員が人格障害になるわけではない(二次的因果関係がない証拠) ・発症時期が異なる:二次障害は学童期~、人格障害は成人期に診断確定 頻出紛らわしい選択肢: 「反抗挑戦性障害」はADHDと併存しやすく「二次障害か独立した障害か」と議論される場合がありますが、試験では「ADHD→人間関係失敗→反抗挑戦性」という経路を通じて二次障害と扱うことが標準的です。
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