STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第67問

言語発達学第17回
言語獲得期の特徴で正しいのはどれか。
  1. 1.自立語と付属語は同時に獲得される。
  2. 2.形容詞の獲得には順序性がある。 ✓
  3. 3.挨拶語は早期に表出されない。
  4. 4.2歳から6歳の間に1日に平均して20語を覚える。
  5. 5.認知的基盤は語彙獲得に影響しない。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 形容詞の獲得には順序性がある。 形容詞の習得には発達的順序が存在し、「大きい・小さい」などの大小関係を表す形容詞が先に獲得され、その後「明るい・暗い」などの感覚的形容詞が獲得される傾向が報告されています。このように形容詞の語意の複雑性や認知的難度に応じて、段階的かつ規則的な獲得順序が認められるため、順序性があると言えます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 自立語と付属語は同時に獲得される。 ❌ 誤り。自立語(名詞・動詞など)は付属語(格助詞・接尾辞など)よりも先に獲得されます。1歳前後に名詞の自立語が現れ、付属語の習得は1歳半以降と遅れます。 2. 形容詞の獲得には順序性がある。 ✅ 正しい。形容詞は認知的複雑性に応じた獲得順序が存在します。対比的で視覚的に判断しやすい「大きい・小さい」が先に獲得され、その後より抽象的で感覚的な形容詞が獲得されていきます。 3. 挨拶語は早期に表出されない。 ❌ 誤り。むしろ挨拶語(「ママ」「バイバイ」「いただきます」など)は12~18ヶ月の相互作用が活発な時期に比較的早期に表出されます。社会的相互作用の中で獲得される語であり、単語初語の時期より早く出現することも多いです。 4. 2歳から6歳の間に1日に平均して20語を覚える。 ❌ 誤り。語彙爆発期(1歳6ヶ月~3歳)には1日数語の割合で獲得されますが、「1日20語」は過大評価です。実際には個人差が大きく、また測定方法によって数値は大きく異なります。極めて恵まれた環境下の値であり、平均値ではありません。 5. 認知的基盤は語彙獲得に影響しない。 ❌ 誤り。認知的基盤(概念形成能力・物体永続性・カテゴリ化能力など)は語彙獲得に大きく影響します。例えば物体永続性が発達してはじめて「物の名前」として語彙が体系的に増加し、形容詞の習得も認知的複雑性に左右されます。 --- 【試験対策ポイント】 言語獲得の発達段階と順序性: | 時期 | 獲得される語彙の特徴 | |---|---| | 1歳前後 | 初語(名詞が中心)。自立語優位 | | 1歳6ヶ月 | 語彙爆発開始。50語程度 | | 2歳 | 2語文出現。付属語の習得開始 | | 3歳 | 語彙約1000語。形容詞増加 | | 6歳 | 語彙約2500語 | 形容詞獲得の順序性: - 「大きい・小さい」(対比的・視覚的)→ 早期獲得 - 「長い・短い」(一次元的) - 「高い・低い」(空間的参照が必要) - 「美しい・汚い」(感覚的・抽象的)→ 遅期獲得 挨拶語の特徴: - 相互作用型語(社会的文脈で習得) - 早期表出(初語の時期より早い場合も) - 模倣性が高い
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