第17回 言語聴覚士国家試験 第71問
言語発達学第17回
「ママ クック」、「パパ カイシャ」などの2語文の発語が出現し始めた子どもへの指導で適切でないのはどれか。
- 1.語彙理解の拡大を図る。
- 2.3語文の発話を模倣させる。 ✓
- 3.2つの名称を聴いて絵カードを選ぶ。
- 4.2~3語文の理解を図る。
- 5.「ママのクックね」などと文として聞かせる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 3語文の発話を模倣させる
2語文が出現した段階の子どもに対し、いきなり3語文の模倣を指導するのは発達段階を逸脱しており不適切です。言語発達は段階的に進むため、現在の発達段階(2語文)を充実させることが原則です。3語文は自然な発達の流れの中で2語文が定着した後に自発的に出現するのを促すべきであり、模倣による強制的な促導は効果的ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 語彙理解の拡大を図る。
✅ 正しい。2語文の出現は名詞中心の語彙が500~1000語程度に達した時期です。理解語彙を広げることで、より多くの語が組み合わせられるようになり、言語発達全体を支援できます。
2. 3語文の発話を模倣させる。
❌ 誤り。2語文段階で3語文の模倣を強制するのは、発達段階を無視した指導です。子どもは現段階で十分に2語文を習得し活用することが先であり、3語文は自然な発達課程で自発的に出現すべき段階です。
3. 2つの名称を聴いて絵カードを選ぶ。
✅ 正しい。「ママ」「クック」など2語の理解を強化する活動です。受動的理解を深めることで、その後の自発的な2語文産出をより確実にします。
4. 2~3語文の理解を図る。
✅ 正しい。理解が産出に先行するという言語発達の原則に沿った指導です。2語文から3語文への理解段階を段階的に導くことは発達を促進します。
5. 「ママのクックね」などと文として聞かせる。
✅ 正しい。子どもの2語発話を文法的に拡張して聞かせる「拡張(expansion)」という有効な指導法です。モデルを示すことで、自然な形で文法構造の習得を促します。
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【試験対策ポイント】
言語発達段階と指導原則の重要表
| 段階 | 時期 | 特徴 | 適切な指導 | 不適切な指導 |
|---|---|---|---|---|
| 1語文 | 1~1.5歳 | 語彙50~100語 | 語彙拡大、指差し遊び | 2語文強制 |
| 2語文(当問) | 1.5~2.5歳 | 語彙500~1000語 | 語彙理解拡大、理解促進、拡張 | 3語文の模倣強制 |
| 3語文 | 2~3歳 | 格助詞が出現 | 文法構造導入、自発出現 | 段階飛ばし |
頻出:「発達段階を逸脱した指導は効果的でない」
- 現段階の充実 > 次段階の先取り学習
- 理解語彙拡大 → 産出語彙拡大 → 文法習得(順序が重要)
- 強制模倣より自発的出現を促す環境作りが重視される