STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第74問

言語発達障害学第17回
応用行動分析的手法で誤っている組合せはどれか。
  1. 1.手本を示す ― モニタリング ✓
  2. 2.行動形式 ― シェービング
  3. 3.要求に応じる ― 強 化
  4. 4.要求が出やすい事物を用意 ― 先行条件
  5. 5.ヒント ― プロンプト

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 手本を示す ― モニタリング 手本を示すことは「モデリング」であり、モニタリングではありません。モニタリングは「行動を観察・記録して評価する過程」を指しており、教授技法ではなく評価手法です。応用行動分析では、手本を示す行為は強化学習や模倣学習を促進するモデリングとして位置づけられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 手本を示す ― モニタリング ❌ 誤り。手本を示す行為は「モデリング」です。モニタリングは行動の観察・記録・評価という「測定過程」であり、教授技法ではありません。この組み合わせは因果関係が成立しません。 2. 行動形式 ― シェービング ✅ 正しい。シェービング(shaping:行動形成)は、目標行動に近い行動から段階的に望ましい行動へと形成する手法です。行動を段階的に「形成する」ことから、行動形式と対応します。 3. 要求に応じる ― 強化 ✅ 正しい。要求(リクエスト)に応じることは「正の強化」です。子どもが「ちょうだい」と要求した時に物を与えると、その行動が強化され、同じ要求行動が増加します。 4. 要求が出やすい事物を用意 ― 先行条件 ✅ 正しい。要求が出やすい事物や環境を用意することは、行動を引き起こしやすくする「先行条件の設定」です。これは応用行動分析における環境操作の重要な手法です。 5. ヒント ― プロンプト ✅ 正しい。プロンプト(prompt)は「ヒント」を意味する応用行動分析の基本用語です。言語的・身体的・環境的プロンプトなど複数の形態があり、目標行動を引き出すために使用されます。 --- 【試験対策ポイント】 応用行動分析の主要用語整理 | 用語 | 定義 | 具体例 | |---|---|---| | モデリング | 手本を示す行為 | 大人が物を持つ動作を見せる | | モニタリング | 行動を観察・記録・評価する | 1日の言語数を記録する | | シェービング | 行動を段階的に形成する | 単語→2語→簡単な文 | | プロンプト | ヒント・手がかり提供 | 「何ですか?」と促す | | 強化 | 行動の頻度を増やす | 要求に応じて物を与える | | 先行条件 | 行動を引き起こしやすくする環境 | 欲しい玩具を見える場所に置く | 重要な区別:「モデリング」vs「モニタリング」 - モデリング:教授側の「行動提示」(ABA教授技法) - モニタリング:実行者の「行動測定」(評価過程) 応用行動分析における強化の重要概念 - 正の強化:好ましい結果を与える(最も使用頻度が高い) - 負の強化:嫌な刺激を取り除く(誤用されやすい)
関連

▶ 第17回 全問一覧

▶ 言語発達障害学 の過去問一覧