STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第75問

音声障害第17回
誤っているのはどれか。
  1. 1.GRBAS評価は4段階で行う。
  2. 2.MPTが10秒未満は病的である。
  3. 3.VHIは他覚的音声評価法である。 ✓
  4. 4.APQ(振幅変動指数)は持続母音について測定する
  5. 5.EGG(電気グロトグラフィ)は声帯振動を評価する。

正答:3番

解説
# 第17回 第75問 解説 ■ 正答:3番 — VHIは他覚的音声評価法である。 VHI(Voice Handicap Index)は患者自身が音声障害による生活上の支障を評価する**自覚的(主観的)評価法**です。他覚的評価法ではないため、これが誤りとなります。 --- 【各選択肢の解説】 1. GRBAS評価は4段階で行う。 ✅ 正しい。GRBAS評価は0(正常)・1(軽度)・2(中等度)・3(高度)の**4段階**で評価します。G(嗄声の全体的程度)・R(粗造性)・B(気息性)・A(無力性)・S(努力性)の5項目それぞれを4段階で判定する聴覚心理的評価法です。 2. MPTが10秒未満は病的である。 ✅ 正しい。最長発声持続時間(Maximum Phonation Time)の正常値は成人男性で約30秒、成人女性で約20秒とされ、**10秒未満は病的**と判断されます。声帯閉鎖不全や呼吸機能低下を示唆します。 3. VHIは他覚的音声評価法である。 ❌ 誤り。VHIは患者自身が30項目の質問に5段階で回答する**自覚的(主観的)評価法**です。機能面・身体面・感情面の3領域から構成され、音声障害が患者のQOLに及ぼす影響を評価します。 4. APQ(振幅変動指数)は持続母音について測定する。 ✅ 正しい。APQ(Amplitude Perturbation Quotient)は持続母音/a/などを発声させ、音波の**振幅の周期的変動**を測定する音響分析パラメータです。声帯振動の不規則性を反映します。 5. EGG(電気グロトグラフィ)は声帯振動を評価する。 ✅ 正しい。EGGは頸部に電極を貼付し、声帯接触面積の変化を電気インピーダンスとして記録することで、**声帯振動(開閉動態)**を非侵襲的に評価します。 --- 【試験対策ポイント】 **GRBAS評価は0〜3の4段階**であることに注意(5段階ではない)。日本で広く用いられる聴覚心理的評価法で、特にG(全体的嗄声度)が最重要。 音声評価法の分類整理: | 評価法 | 分類 | 特徴 | |---|---|---| | **GRBAS** | 他覚的(聴覚心理的) | 4段階・5項目 | | **VHI** | **自覚的(主観的)** | 30項目自記式質問票 | | MPT | 他覚的(空気力学的) | 10秒未満で病的 | | Jitter・Shimmer・APQ | 他覚的(音響分析) | 持続母音で測定 | | EGG | 他覚的(生理学的) | 声帯振動評価 | **覚え方**:VHIの「H」はHandicap(=患者が感じる支障)→患者本人しか答えられない→自覚的評価。一方、GRBASは検者が聴いて判定するため他覚的評価に分類される。
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