第17回 言語聴覚士国家試験 第81問
運動障害性構音障害第17回
正しい組合せはどれか。
- 1.痙性構音障害 ― 努力性発話 ✓
- 2.失調性構音障害 ― 開鼻声
- 3.弛緩性構音障害 ― 声の大きさの変動
- 4.運動低下性構音障害 ― 断綴性発話
- 5.運動過多性構音障害 ― 気息性嗄声
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 痙性構音障害 — 努力性発話
痙性構音障害は両側錐体路の障害によって生じ、両側の口唇・舌・咽頭筋の緊張が亢進するため、発話に顕著な努力を要します。この「努力性」という特徴が最も典型的な音声特性です。
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【各選択肢の解説】
1. 痙性構音障害 — 努力性発話
✅ 正しい。痙性構音障害は両側錐体路障害(偽性球麻痺など)による筋緊張亢進が原因で、患者は発話時に顕著な努力を強いられます。この努力性発話が痙性構音障害の最も特徴的な音声特性です。
2. 失調性構音障害 — 開鼻声
❌ 誤り。失調性構音障害の典型的特性は「断綴性発話」(スキャニングスピーチ)です。開鼻声は弛緩性構音障害(軟口蓋麻痺)で出現します。失調性では小脳障害により協調運動が破綻するため、音節ごとに不規則な中断が生じます。
3. 弛緩性構音障害 — 声の大きさの変動
❌ 誤り。弛緩性構音障害(球麻痺)の典型的特性は「開鼻声」「気息性嗄声」「鼻漏」です。声の大きさの変動は運動低下性構音障害(パーキンソン病など)で見られます。弛緩性では筋力低下が主たる問題であり、声量は全般的に低下傾向です。
4. 運動低下性構音障害 — 断綴性発話
❌ 誤り。運動低下性構音障害(パーキンソン病など錐体外路障害)の特徴は「加速現象」「音声の単調性」「声量減弱」「声の大きさの変動」です。断綴性発話は失調性構音障害の特徴です。
5. 運動過多性構音障害 — 気息性嗄声
❌ 誤り。気息性嗄声は弛緩性構音障害で出現します。運動過多性構音障害(不随意運動障害:ジストニア・舞踏病など)では、不随意運動に伴う「変動性」のある音声特性(音声の歪み・音の繰り返しなど)が特徴です。
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【試験対策ポイント】
Mayo分類による運動障害性構音障害の特徴:
| タイプ | 基礎障害 | 典型的な音声特性 | 代表的疾患 |
|---|---|---|---|
| 痙性 | 両側錐体路障害 | 努力性発話、痙性鼻声 | 脳卒中(両側)、ALS |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 開鼻声、気息性嗄声、鼻漏 | 球麻痺、顔面神経麻痺 |
| 失調性 | 小脳障害 | 断綴性発話(スキャニング)、音韻の歪み | 小脳変性症、MS |
| 運動低下性 | 錐体外路障害 | 加速現象、音声単調性、声量減弱 | パーキンソン病 |
| 運動過多性 | 基底核障害 | 音声の変動性、歪み | ジストニア、舞踏病 |
| 混合性 | 複数障害 | 複合特性 | ALS(初期は弛緩性+痙性) |
重要:各タイプを「原因部位→筋の状態→結果として出現する特性」の流れで理解することが、紛らわしい選択肢を区別するコツです。