STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第82問

器質性構音障害第17回
舌の切除後に発話明瞭度が低下するのはどれか。 a./a/ b./h/ c./p/ d./t/ e./k/ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d./t/、e./k/ 舌の切除後に発話明瞭度が低下するのは、舌の位置が構音に直接関与する音です。/t/は歯茎音で舌尖を上歯茎に接触させて産生するため舌切除により著しく障害されます。/k/は軟口蓋音で舌背を軟口蓋に接触させるため、舌の大きさや位置の変化で産生が困難になります。一方、/a/は開母音で舌の位置の制約が少なく、/h/は咽頭摩擦音で舌の運動に依存しず、/p/は両唇音で舌を必要としません。 --- 【各選択肢の解説】 a. /a/ ❌ 誤り。開母音であり舌の位置変化に対する制約が最も少ない音です。舌切除後でも発話明瞭度への影響は軽微です。 b. /h/ ❌ 誤り。咽頭摩擦音であり、舌の接触や位置を必要としません。呼気の通路設定が主体となるため、舌切除の影響を受けにくい音です。 c. /p/ ❌ 誤り。両唇音で両唇の接触のみで産生される音です。舌の形態や位置に依存しないため、舌切除後の発話明瞭度低下の直接的な原因にはなりません。 d. /t/ ✅ 正しい。歯茎音で舌尖を上歯茎に正確に接触させて産生されます。舌の切除により舌尖の位置制御が困難になり、明瞭度が大きく低下します。 e. /k/ ✅ 正しい。軟口蓋音で舌背を軟口蓋に接触させて産生されます。舌の縮小や位置異常により、舌背と軟口蓋の接触が不十分になり、発話明瞭度が著しく低下します。 --- 【試験対策ポイント】 構音に関与する舌の部位と音韻の対応 | 舌の部位 | 関与する音韻 | 舌切除後の影響 | |---|---|---| | 舌尖 | /t/, /d/, /n/, /l/ | 著しく低下 | | 舌背 | /k/, /g/, /ng/ | 著しく低下 | | 舌全体 | /∫/, /t∫/, /j/ | 低下程度は中等度 | | 舌との関連薄 | /p/, /b/, /m/, /h/, /f/ | 影響少ない | 舌の形態変化で障害される音韻の法則 - 舌尖必須:歯茎音(/t/, /d/, /n/, /l/) - 舌背必須:軟口蓋音(/k/, /g/) - 舌接触不要:両唇音(/p/, /b/, /m/)、咽頭音(/h/) 本問の重要な否定知識 - /a/は開母音→舌位置の自由度大→舌切除の影響小 - /h/は舌の接触を必要としない→舌切除の影響小 - /p/は両唇音→舌との関連なし→舌切除の影響なし
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