第17回 言語聴覚士国家試験 第86問
嚥下障害第17回
改訂水飲みテストの手技で正しいのはどれか。
- 1.冷水30mlを用いる。
- 2.最低点を評点とする。 ✓
- 3.水を舌根に注ぎ嚥下を指示する。
- 4.反復嚥下を行わせない。
- 5.評点が4点未満なら最大2施行繰り返す。
正答:2番
解説
# 第17回 第86問 解説
■ 正答:2番 — 最低点を評点とする。
改訂水飲みテスト(MWST:Modified Water Swallowing Test)は、冷水**3ml**を口腔底(舌下)に注ぎ嚥下させ、その様子を5段階で評価する嚥下スクリーニング検査です。評価が良好(4点以上)なら最大2回繰り返し、その中で最も悪い点(**最低点**)を評点とします。これは患者の嚥下リスクを安全側に立って評価するためです。
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【各選択肢の解説】
1. 冷水30mlを用いる。
❌ 誤り。MWSTで用いるのは冷水**3ml**です。30mlを用いるのは「水飲みテスト(窪田の30ml水飲みテスト)」であり、両者を混同しないことが重要です。MWSTは少量の冷水で誤嚥リスクを抑えつつ評価します。
2. 最低点を評点とする。
✅ 正しい。複数回施行した場合、最も悪い成績(最低点)を採用します。安全性を重視し、嚥下障害を見落とさないためのルールです。
3. 水を舌根に注ぎ嚥下を指示する。
❌ 誤り。MWSTでは冷水3mlを「**口腔底(舌下)**」に注いで嚥下を指示します。舌根への注水は早期咽頭流入や誤嚥のリスクを高めるため不適切です。
4. 反復嚥下を行わせない。
❌ 誤り。嚥下後、患者に「**追加で(反復)嚥下をしてもらう**」ことが手技に含まれます。30秒以内に2回以上の追加嚥下が可能かどうかが評点(特に5点判定)の要素となるため、反復嚥下は必須です。
5. 評点が4点未満なら最大2施行繰り返す。
❌ 誤り。繰り返すのは評点が「**4点以上**」の場合です。4点以上であれば最大2回追加して計3回施行し最低点を採用します。4点未満(誤嚥が疑われる場合)はそこで中止し、それ以上の施行は行いません。
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【試験対策ポイント】
**改訂水飲みテスト(MWST)の標準手技**
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検査水量 | 冷水**3ml** |
| 注水部位 | **口腔底(舌下)** |
| 反復嚥下 | あり(嚥下後に追加嚥下を指示) |
| 繰り返し | 4点**以上**なら最大2回追加(計3回) |
| 評点決定 | **最低点**を採用 |
**評価スケール(5段階)**
| 点 | 内容 |
|---|---|
| 1点 | 嚥下なし、むせる and/or 呼吸切迫 |
| 2点 | 嚥下あり、呼吸切迫(不顕性誤嚥疑い) |
| 3点 | 嚥下あり、呼吸良好、むせる and/or 湿性嗄声 |
| 4点 | 嚥下あり、呼吸良好、むせない |
| 5点 | 4点に加え、追加嚥下運動が30秒以内に2回可能 |
**紛らわしいポイント**
- **「30ml水飲みテスト」と「改訂(3ml)水飲みテスト」の量の混同**に注意。
- 注水部位は**舌根ではなく口腔底(舌下)**。
- 繰り返すのは**良好(4点以上)の場合**であり、低得点の場合ではない。