第17回 言語聴覚士国家試験 第91問
聴力検査第17回
耳音響放射について正しいのはどれか。
- 1.外耳道内の音を記録する。 ✓
- 2.伝音難聴で反応が得られる。
- 3.聴神経の障害で無反応になる。
- 4.他覚的に聴力閾値が測定できる。
- 5.軽度の感音難聴で反応が得られない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 外耳道内の音を記録する。
耳音響放射(OAE)は、内耳の外有毛細胞が自ら発生させた音が外耳道を逆行して伝わり、外耳道内で記録される現象です。外有毛細胞の機能の有無を判定する他覚的検査であり、特に新生児聴覚スクリーニングで活用されています。
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【各選択肢の解説】
1. 外耳道内の音を記録する。
✅ 正しい。OAEは外有毛細胞の機械的活動により生じた音が、外耳道を逆行して伝わり、小さなマイクロフォンで外耳道内に記録されます。これが診断の基本原理です。
2. 伝音難聴で反応が得られる。
❌ 誤り。伝音難聴では、中耳の伝音メカニズムが障害されているため外有毛細胞からの音が外耳道に伝わらず、OAE反応が得られません。伝音成分が正常である必要があります。
3. 聴神経の障害で無反応になる。
❌ 誤り。聴神経障害(例:聴神経腫瘍)があってもOAEは得られます。OAEは内耳レベル(外有毛細胞)の機能を反映するため、より中枢の聴神経や脳幹の障害では影響を受けません。
4. 他覚的に聴力閾値が測定できる。
❌ 誤り。OAEは外有毛細胞の有無・機能を判定する検査であり、聴力閾値(dB)を定量的に測定することはできません。闇値決定にはABRなどが必要です。
5. 軽度の感音難聴で反応が得られない。
❌ 誤り。OAEは軽度~中等度の感音難聴(外有毛細胞が部分的に障害された場合)でも反応が得られることが多くあります。無反応になるのは外有毛細胞が高度に障害された場合です。
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【試験対策ポイント】
OAEの検査原理と臨床意義:
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 記録部位 | 外耳道内 |
| 反映する機能 | 外有毛細胞の機能 |
| 評価レベル | 内耳(外有毛細胞) |
| 得られる情報 | 「聞こえるか/聞こえないか」の判定 |
| 聴力閾値 | 測定不可 |
| 新生児スクリーニング | ◎ 用いられる |
OAEが得られる条件:
- 中耳機能が正常
- 外有毛細胞が比較的保存されている
- 軽度~中等度感音難聪(反応あり得る)
- 高度~重度感音難聴(反応なし)
- 伝音難聴(反応なし)
- 聴神経障害のみ(反応あり)← 重要な鑑別点
紛らわしい知識:
「他覚的検査=聴力閾値が測定できる」は誤解。ABRは波形の検出で閾値決定が可能ですが、OAEはそれができない点が重要です。