第17回 言語聴覚士国家試験 第93問
耳鼻咽喉科学第17回
「音が響く」と訴えないのはどれか。
- 1.耳管開放症
- 2.突発性難聴
- 3.加齢性難聴
- 4.外耳道閉鎖症 ✓
- 5.メニエール病
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 外耳道閉鎖症
外耳道閉鎖症は先天的に外耳道が欠損・狭窄する疾患で、伝音難聴を生じますが、中耳機能は正常なため「音が響く」という自声強調感(自分の声が大きく聞こえる)の症状は現れません。一方、他の4つの疾患はいずれも中耳・内耳機能の異常を伴い、響く感覚を訴えることが特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 耳管開放症
✅ 正しい。耳管が常時開放状態のため、中耳内の空気が咽頭経由で流出し、自分の音声や呼吸音が増幅されて聞こえる「自声強調」が典型症状です。「耳が響く」「自分の声が大きく聞こえる」と訴える最も典型的な疾患です。
2. 突発性難聴
✅ 正しい。一側の感音難聴を来し、患側耳の聴力低下により対側耳での聴覚優位が起きます。これにより患側耳で音が響いて聞こえたり、自分の声が異常に大きく聞こえたりします。
3. 加齢性難聴
✅ 正しい。両側対称性の高音域から進行する感音難聴ですが、難聴側耳では中耳機能の相対的な優位性から音の響きが生じることがあります。また、補聴器装用時に響きが増加することも知られています。
4. 外耳道閉鎖症
❌ 誤り。外耳道の欠損により、音は鼓膜に到達しにくくなりますが、中耳機能は正常です。つまり、中耳内の気圧調整機構に異常がないため、「音が響く」という自声強調感や共鳴現象は生じません。伝音難聴のみであることが特徴です。
5. メニエール病
✅ 正しい。内リンパ水腫により感音難聴を来し、患側耳でのリクルートメント現象(小さい音から急激に大きく聞こえる現象)が生じます。これにより音が響いたり、耳が詰まった感覚が起きたりします。
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【試験対策ポイント】
「音が響く」= 自声強調 / リクルートメント / 共鳴現象
| 疾患 | 病変部位 | 難聴型 | 響く理由 |
|---|---|---|---|
| 耳管開放症 | 耳管 | 伝音 | 中耳-咽頭が開放→自声増幅 |
| 突発性難聴 | 内耳 | 感音 | リクルートメント |
| 加齢性難聴 | 内耳(蝸牛) | 感音 | 部分的なリクルートメント |
| 外耳道閉鎖症 | 外耳道 | 伝音 | **響きなし**(中耳は正常) |
| メニエール病 | 内耳(内リンパ水腫) | 感音 | リクルートメント現象 |
キーワード:
- 自声強調 = 耳管開放症の特徴
- リクルートメント = 感音難聴患者の音響知覚異常(小さい音は聞こえないが、大きい音は驚くほど大きく聞こえる)
- 伝音難聴のみ=中耳機能が保たれている=響きなし