第17回 言語聴覚士国家試験 第96問
聴力検査第17回
語音聴力検査について正しいのはどれか。
- 1.最高語音明瞭度は閾値上50dBで測定される。
- 2.最高語音明瞭度が50%であれば聴覚のみで会話を容易に理解できる。
- 3.マスキングノイズはスピーチノイズよりホワイトノイズが推奨される。
- 4.語音明瞭度曲線は補聴効果の補足に有用である。 ✓
- 5.両側感音難聴の場合、マスキングは必要ない。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 語音明瞭度曲線は補聴効果の判定に有用である。
語音明瞭度曲線(語音弁別能検査の結果)は、補聴器装用による聴力改善効果を客観的に評価する際の重要な指標となります。装用前後の語音明瞭度曲線を比較することで、補聴器がもたらす明瞭度の改善度合いを数値で示すことができ、補聴効果の判定に直結する情報となるためです。
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【各選択肢の解説】
1. 最高語音明瞭度は閾値上50dBで測定される。
❌ 誤り。最高語音明瞭度は閾値上40dBで測定されるのが標準的です。この音声レベルで語音明瞭度が最も高くなる傾向があり、臨床でも40dB上を基準に評価を行います。50dBは高すぎて、かえって明瞭度が低下することもあります。
2. 最高語音明瞭度が50%であれば聴覚のみで会話を容易に理解できる。
❌ 誤り。語音明瞭度が50%というのは、音声の半分しか理解できない状態で、聴覚のみでの会話理解は困難です。通常、75%以上の明瞭度があれば会話の大部分が理解でき、50%では補聴器装用や視覚情報(読話)の補助が必須となります。
3. マスキングノイズはスピーチノイズよりホワイトノイズが推奨される。
❌ 誤り。語音聴力検査でのマスキングは、スピーチノイズ(狭帯域雑音)またはナローバンドノイズが推奨されます。ホワイトノイズは広域で刺激が強すぎ、試験音に与える影響が不均一となり、検査精度が低下するため臨床では用いられません。
4. 語音明瞭度曲線は補聴効果の判定に有用である。
✅ 正しい。語音明瞭度曲線は、音圧レベルに対する語音明瞭度の変化を視覚化したもので、補聴器装用前後の比較により、補聴効果を客観的かつ定量的に評価できます。補聴効果判定の標準的評価方法として臨床で広く活用されています。
5. 両側感音難聴の場合、マスキングは必要ない。
❌ 誤り。むしろ両側感音難聴では、検査音が反対耳に回り込まないようにマスキングが必須です。特に骨導検査では、検査側耳が高い閾値である場合、音が反対耳に伝わりやすく、正確な閾値測定のためにはマスキングを必ず行う必要があります。
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【試験対策ポイント】
語音明瞭度検査の基準値と臨床意義
| 項目 | 基準・方法 | 臨床的意味 |
|---|---|---|
| 最高語音明瞭度の測定音圧 | 閾値上40dB(標準) | この値で最高成績が得られる |
| 最高語音明瞭度 85%以上 | 正常範囲 | 聴覚のみで会話容易 |
| 最高語音明瞭度 50~75% | 中等度低下 | 読話・補聴器必要 |
| 最高語音明瞭度 50%未満 | 著しく低下 | 聴覚復仇困難 |
マスキングの必須場面
- 聴力差が大きい場合(気導閾値差30dB以上)
- 骨導検査全般
- 両側感音難聴(頭蓋内伝導で回り込み防止)
マスキングノイズの種類
- 推奨