第18回 言語聴覚士国家試験 第103問
生理学第18回
誤っている組合せはどれか。
- 1.甲状腺ホルモン ― 基礎代謝亢進
- 2.メラトニン ― 体内時計の調節
- 3.インスリン ― 血糖値降下
- 4.ノルアドレナリン ― 血圧低下 ✓
- 5.糖質コルチコイド ― 抗炎症作用
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ノルアドレナリン ― 血圧低下
ノルアドレナリンは交感神経系の神経伝達物質であり、α1受容体を介して血管平滑筋を収縮させるため、血圧を上昇させます。「血圧低下」は誤りで、正しくは「血圧上昇」です。
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【各選択肢の解説】
1. 甲状腺ホルモン ― 基礎代謝亢進
✅ 正しい。甲状腺ホルモン(T3・T4)は全身の細胞における酸化還元反応を促進し、基礎代謝を亢進させます。これにより産熱量が増加し、体温が上昇することもあります。
2. メラトニン ― 体内時計の調節
✅ 正しい。松果体から分泌されるメラトニンは、視交叉上核(SCN)の活動を抑制することで睡眠誘導と体内時計(概日リズム)の調節に重要な役割を果たします。
3. インスリン ― 血糖値降下
✅ 正しい。膵臓β細胞から分泌されるインスリンは、肝臓・筋肉・脂肪組織に作用して糖の取り込みを促進し、グリコーゲン合成と脂肪合成を促すため血糖値を低下させます。
4. ノルアドレナリン ― 血圧低下
❌ 誤り。ノルアドレナリンは交感神経終末から放出される神経伝達物質で、血管のα1受容体に作用して血管平滑筋を収縮させ、血圧を上昇させます。「血圧低下」は正反対の効果であり完全な誤りです。
5. 糖質コルチコイド ― 抗炎症作用
✅ 正しい。副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド(主にコルチゾル)は、炎症細胞の浸潤抑制・サイトカイン産生低下・血管透過性低下により強力な抗炎症作用を発揮します。
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【試験対策ポイント】
ホルモンと生理作用の対応表:
| ホルモン | 分泌臓器 | 主な生理作用 |
|---|---|---|
| 甲状腺ホルモン | 甲状腺 | 基礎代謝↑・産熱↑ |
| メラトニン | 松果体 | 睡眠誘導・概日リズム調節 |
| インスリン | 膵臓β細胞 | 血糖値↓・グリコーゲン↑ |
| ノルアドレナリン | 副腎髄質・交感神経 | 血圧↑・心拍数↑・血糖値↑ |
| 糖質コルチコイド | 副腎皮質 | 抗炎症・免疫抑制・血糖値↑ |
紛らわしい知識:
- ノルアドレナリン=「昇圧物質」(医学的には「カテコールアミン」の一種)
- 「血圧低下」はアドレナリン受容体のβ2刺激時の末梢血管拡張現象だが、ノルアドレナリンはα1優位で血圧上昇が主要効果
- 国試でのひっかけ:ホルモン名と逆の生理作用の組み合わせを提示する頻出パターン