第18回 言語聴覚士国家試験 第106問
形成外科学第18回
ケロイド形成について正しいのはどれか。
- 1.白色人種に比べて黄色人種に起こりやすい。 ✓
- 2.60歳代以降の高齢者に起こりやすい。
- 3.かゆみや痛みなどの自覚症状は少ない。
- 4.元の範囲を超えた拡大傾向はみられない。
- 5.切除すれば再発は起こりにくい。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 白色人種に比べて黄色人種に起こりやすい。
ケロイドは遺伝的素因が強く、人種別の発症率に有意な差があります。黄色人種(特にアジア人)および黒人種で白色人種より明らかに高い発症率が報告されており、これは皮膚メラニン量が多い人種ほどケロイド形成リスクが高いことを示唆しています。
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【各選択肢の解説】
1. 白色人種に比べて黄色人種に起こりやすい。
✅ 正しい。ケロイドは人種差が著明であり、黄色人種と黒人種で発症率が高く、白色人種では比較的低頻度です。遺伝的素因が強く関与しています。
2. 60歳代以降の高齢者に起こりやすい。
❌ 誤り。ケロイドは思春期から40歳代をピークとする若年~中年層での発症が主体です。高齢者での発症は極めて稀で、むしろ加齢とともに発症率は低下します。
3. かゆみや痛みなどの自覚症状は少ない。
❌ 誤り。ケロイドは強いかゆみ・痛み・違和感などの自覚症状を伴うことが特徴です。このため生活の質を著しく障害し、治療の動機づけにもなります。症状が少ないのは瘢痕組織(正常瘢痕)です。
4. 元の範囲を超えた拡大傾向はみられない。
❌ 誤り。ケロイドの本質的特徴は「元の創傷領域を超えて拡大し続けること」です。この無制限的な拡大傾向が正常瘢痕との最大の相違点であり、ケロイドの定義そのものです。
5. 切除すれば再発は起こりにくい。
❌ 誤り。ケロイドの切除のみでの治療は極めて高い再発率(70~90%以上)を示します。再発防止にはステロイド注射・放射線療法・圧迫療法などの併用が必須です。切除単独では「最悪の治療」とされています。
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【試験対策ポイント】
ケロイドと正常瘢痕(ヒストリキスチア)の相違点:
| 項目 | ケロイド | 正常瘢痕 |
|---|---|---|
| **発症時期** | 思春期~40歳代 | 全年齢 |
| **人種差** | 黄色人種・黒人に多い | 人種差少ない |
| **拡大傾向** | 元の創傷を超えて無制限に拡大 | 創傷範囲内に限局 |
| **自覚症状** | 強いかゆみ・痛み(++) | 少ない(-) |
| **組織学的特徴** | 膠原線維の無秩序配列・充血 | 膠原線維が規則的配列 |
| **遺伝的素因** | 強い | 弱い |
| **再発率(切除単独)** | 70~90%以上(高い) | 低い |
ケロイド治療の原則:
- 切除単独は禁忌(再発率90%超)
- 保存療法+圧迫・ステロイド注射・レーザー・放射線等の併用が必須
- 予防が重要(予防的ステロイド注射など)
頻出誤解:
- 「高齢者発症」「症状が少ない」「拡大傾向なし」「切除で治る」は全てケロイドの特性に反する