第18回 言語聴覚士国家試験 第107問
形成外科学第18回
複視を生じるのはどれか。
- 1.ブローアウト骨折 ✓
- 2.LeFortI型骨折
- 3.鼻骨骨折
- 4.下顎骨関節突起部骨折
- 5.頬骨弓骨折
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — ブローアウト骨折
ブローアウト骨折は眼窩の底部(眼窩床)や内側壁が損傷される骨折で、眼窩内容物が下方または側方に脱出します。その結果、眼外筋(特に下直筋)が損傷・嵌頓され、眼球運動が制限されるため複視が生じます。これはST国試では形成外科学の中でも頻出の合併症です。
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【各選択肢の解説】
1. ブローアウト骨折
✅ 正しい。眼窩床(眼窩底)の骨折により、眼外筋が損傷または嵌頓され、上方視時に複視が生じます。特に下直筋の牽引により「下方視での複視」が特徴です。CT画像では「眼窩脂肪の脱出」「眼外筋の肥厚」として認識されます。
2. LeFortI型骨折
❌ 誤り。上顎骨の水平骨折で、上顎全体が遊離する損傷です。咬合不正や上顎の可動性が主な症状で、複視は典型的ではありません。眼窩床の損傷がないため眼外筋の牽引が生じにくいです。
3. 鼻骨骨折
❌ 誤り。鼻骨の局所的な骨折で、鼻梁陥没や鼻呼吸障害を生じますが、眼外筋への影響がないため複視は発生しません。眼窩への直接的な損傷を伴いません。
4. 下顎骨関節突起部骨折
❌ 誤り。下顎骨の後方部位の骨折で、開咬(かみ合わせが開く)や下顎の可動制限が主症状です。眼窩構造への影響がないため複視は生じません。
5. 頬骨弓骨折
❌ 誤り。頬骨弓の孤立性骨折は、頬部陥没が主症状で、眼窩底への直接的な損傷がないため複視は典型的ではありません。ただし広範な頬骨体骨折がブローアウト骨折を伴う場合は複視が生じることもあります。
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【試験対策ポイント】
複視が生じるメカニズム:眼外筋の損傷・嵌頓 → 眼球運動制限 → 複視
ブローアウト骨折の関連知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発部位 | 眼窩底(最多)、眼窩内側壁 |
| 原因 | 眼球への直接外力 |
| 脱出部位 | 眼窩脂肪・眼外筋 |
| 損傷筋 | 下直筋(下方視で複視) |
| 画像所見 | CT:眼窩脂肪の脱出、眼外筋肥厚 |
| 治療判断 | 複視が残存すれば手術的整復が必要 |
主な顔面骨折の合併症の有無
| 骨折 | 複視 | 咬合異常 | 呼吸障害 |
|---|---|---|---|
| ブローアウト | ✅ | ❌ | ❌ |
| LeFortI | ❌ | ✅ | ❌ |
| 鼻骨 | ❌ | ❌ | ✅ |
| 下顎骨関節突起部 | ❌ | ✅ | ❌ |
| 頬骨弓 | ❌ | ❌ | ❌ |
紛らわしい区別ポイント:
- 複視 = 眼窩床損傷(ブローアウト限定)
- 咬合異常 = 上下顎骨の骨折(LeFort、下