STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第108問

耳鼻咽喉科学第18回
唾液腺疾患について正しいのはどれか。
  1. 1.唾石症は耳下腺に最も多く発症する。
  2. 2.流行性耳下腺炎では解熱すれば登校してよい。
  3. 3.唾液腺腫瘍で最も多いのはワルチン腫瘍である。
  4. 4.唾石症の特徴所見は摂食畤の唾液腺腫脹と疼痛である。 ✓
  5. 5.耳下腺腫瘍で顔面神経麻痺がなければ悪性を否定できる。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 唾石症の特徴所見は摂食時の唾液腺腫脹と疼痛である。 唾石症は石灰沈着により唾液排出路が閉塞される疾患で、摂食時に唾液分泌が急激に増加することで、腺管内圧が上昇し腫脹と疼痛が生じます。これは唾石症の病態を正確に説明する最も典型的な臨床症状であり、診断的価値が高い所見です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 唾石症は耳下腺に最も多く発症する。 ❌ 誤り。唾石症は顎下腺(舌下腺ではなく)に最も多く発症します(約80%)。顎下腺の唾液は粘稠で、Wharton管が狭く屈曲しているため、石灰沈着しやすい解剖学的背景があります。耳下腺は比較的稀です。 2. 流行性耳下腺炎では解熱すれば登校してよい。 ❌ 誤り。流行性耳下腺炎は感染症法に基づく届出疾患であり、解熱後最低3日間の自宅待機が必要です。単なる体温低下では感染性が消失したことを意味しません。登校再開には医師の許可が必要です。 3. 唾液腺腫瘍で最も多いのはワルチン腫瘍である。 ❌ 誤り。唾液腺腫瘍で最も多いのはプレイオモルフ腺腫(混合腫瘍)です(約50%)。ワルチン腫瘍は耳下腺に次に多い腫瘍ですが、全体では2~3番目です。 4. 唾石症の特徴所見は摂食時の唾液腺腫脹と疼痛である。 ✅ 正しい。これが唾石症の典型的な臨床症状です。摂食刺激により唾液分泌が促進され、閉塞部位より近位の腺管内圧が上昇するため、腫脹と疼痛が引き起こされます。安静時は症状がないか軽微であることが特徴です。 5. 耳下腺腫瘍で顔面神経麻痺がなければ悪性を否定できる。 ❌ 誤り。顔面神経麻痺は耳下腺悪性腫瘍の危険な兆候ですが、その「欠如」が良性を保証しません。良性腫瘍でも大きく進行すれば麻痺を来し、逆に小さな悪性腫瘍は麻痺を伴わないことがあります。悪性判定には病理診断が必須です。 --- 【試験対策ポイント】 耳下腺 vs 顎下腺の疾患分布比較: | 疾患 | 好発部位 | 理由・特徴 | |---|---|---| | 唾石症 | 顎下腺(80%) | 唾液粘稠・管が狭く屈曲 | | 流行性耳下腺炎 | 耳下腺 | ムンプスウイルス親和性 | | シェーグレン症候群 | 涙腺>唾液腺 | 自己免疫疾患 | | プレイオモルフ腺腫 | 耳下腺(80%) | 最多の唾液腺腫瘍 | | ワルチン腫瘍 | 耳下腺 | 老年男性に特徴的 | 唾液腺疾患の重要な否定知識: - 唾石症の症状は「安静時に軽微」「摂食時に顕著」が特徴 - 流行性耳下腺炎=感染症法届出疾患(解熱のみで
関連

▶ 第18回 全問一覧

▶ 耳鼻咽喉科学 の過去問一覧