第18回 言語聴覚士国家試験 第11問
臨床神経学第18回
正しいのはどれか。
a.TIAの多くは内頸動脈からの微小塞栓に起因する。
b.直径30mm以上の脳深部梗塞はラクナ梗塞である。
c.頭蓋内出血の治療に抗血小板薬を用いる。
d.脳出血の最大のリスクファクターは糖尿病である。
e.脳静脈洞血栓症の原因として隣接組織の感染症が多い。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a, e
TIAの多くは実際に内頸動脈からの微小塞栓に起因し、脳静脈洞血栓症の重要な原因は副鼻腔炎や中耳炎などの隣接組織の感染症です。これらが臨床神経学で頻出される正確な知識です。
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【各選択肢の解説】
a. TIAの多くは内頸動脈からの微小塞栓に起因する。
✅ 正しい。TIA(一過性脳虚血発作)の主要な機序は、不安定プラークからの微小塞栓(特に内頸動脈狭窄部位)による一過性の脳血流障害です。症状は24時間以内に完全に消失しますが、微小塞栓が脳卒中の前駆症状として重要視されています。
b. 直径30mm以上の脳深部梗塞はラクナ梗塞である。
❌ 誤り。ラクナ梗塞は「直径15mm以下」の脳深部梗塞と定義されます。30mm以上は明らかに大きく、むしろ皮質枝梗塞や領域梗塞に分類されます。ラクナ梗塞は細小動脈の閉塞によるもので、高血圧が主要リスクです。
c. 頭蓋内出血の治療に抗血小板薬を用いる。
❌ 誤り。出血性脳卒中(脳出血・くも膜下出血)の急性期治療では、抗血小板薬は禁忌です。むしろ止血を妨害するため、出血を増加させます。抗凝固薬も同様に避けられます。
d. 脳出血の最大のリスクファクターは糖尿病である。
❌ 誤り。脳出血の最大のリスクファクターは「高血圧」です。長期高血圧により細小血管が障害され(Charcot-Bouchard動脈瘤形成)、被殻・視床・脳幹・小脳などでの出血につながります。糖尿病は虚血性脳卒中のリスク要因としてより重要です。
e. 脳静脈洞血栓症の原因として隣接組織の感染症が多い。
✅ 正しい。脳静脈洞血栓症(CVT)の重要な原因は副鼻腔炎(特に篩骨洞・前頭洞)や中耳炎・乳様突起炎などの隣接頭部感染症です。感染に伴う静脈炎から血栓形成へ進展します。また凝固異常(抗リン脂質抗体症候群など)や悪性腫瘍も原因になります。
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【試験対策ポイント】
脳梗塞の分類と微小塞栓
| 分類 | 直径基準 | 成因 | リスク因子 |
|---|---|---|---|
| ラクナ梗塞 | 15mm以下 | 細小動脈閉塞 | 高血圧 |
| 皮質枝梗塞 | 可変 | 大血管閉塞 | 心房細動・動脈硬化 |
| 領域梗塞 | 30mm超 | 主幹動脈閉塞 | 塞栓源(心疾患) |
脳卒中のリスクファクター優先順位
脳出血:高血圧 > 抗凝固薬 > 脳アミロイド血管症
脳梗塞:心房細動 > 高血圧 > 糖尿病
脳静脈洞血栓症(CVT)の原因分類
感染性:副鼻腔炎、中耳炎、乳様突起炎(隣接感染症)
非感染性:抗リン脂質抗体症候群、悪性腫